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脳波解析室

更新日:2015年11月13日

脳波検査ラボ -EEG lab-

長時間脳波モニタリングの実際

当院てんかんセンターでは2009年4月より、日本で初めて高密度センサー脳波計を導入し、通常の脳波計2台とあわせ計3台の脳波計を用いて長時間ビデオ脳波モニタリングを行っています。

高密度センサー脳波計を用いた脳波モニタリング

高密度センサー256チャンネルを装着した状態

高密度センサー脳波計はアメリカで開発され、てんかんの評価に新生児~成人に使われています。通常の脳波検査では電極の数は10-21チャンネル程度ですが、この高密度センサー脳波計では128または256チャンネルで記録します。電極は頭だけでなく、顔と首の一部を覆うようになっています。

高密度センサーはすべての電極が1つにまとまった帽子のようになっています。帽子のようにセンサーを装着したのち、生体からの信号をとらえやすくするために、センサーひとつひとつにゼリーを注入していきます。センサーの数が非常に多いのですが、装着にかかる時間は30分程度、長くても1時間で済みます。センサーは頭の大きさに合わせて数種類用意していますので、頭部の締め付け感はほとんどなく、また頭皮をこすったり、クリームを使ったりすることがないので不快感はほとんどありません。乳児用のセンサーもありますので乳児への脳波モニタリングも可能です。
一般に記録する電極数が多ければ多いほど、脳のどの部位がてんかんの発生源(焦点)かを推定する精度が高くなります。てんかんの外科手術、外科手術の適応を考える際、正確な焦点診断が非常に大切になります。私たちはこの高密度センサー脳波計を用いて、より詳細なてんかん焦点診断を試みています。脳の深いところに焦点がある場合、通常の脳波検査ではなかなかてんかん焦点に関する情報をとらえることができないことが多いですが、高密度センサー脳波計で記録し、詳細な検討をすることで有用な情報を得られることがあります。

高密度センサー脳波計を用いた脳波モニタリング:脳波データ

記録された脳波データは発作時、非発作時、睡眠時について周波数解析や電位マップなど駆使して詳細に検討します。

左の脳波(↑)のときの電位マップ
白い部分が最大の電位をもつ。

非発作時の脳波(19チャンネル)

周波数解析の一例

高密度センサー脳波計で記録されたデータ解析の一例(前頭葉てんかん)を示します。てんかん性異常波であるスパイクの発生源を推定する方法です。実際のMRI画像を重ね合わせて表示することも可能です。

高密度センサー256チャンネルで記録されたスパイク
※実際に記録された位置に合わせて表示してあります。

白い矢印(↑)が推定されたスパイクの発生源

この症例は従来の脳波検査では詳しい焦点を同定することができませんでしたが、高密度センサー脳波計を用いた長時間脳波モニタリングによる発作時と非発作時の解析によって、左の前頭葉(眼窩面)に焦点があることがわかりました。
このように詳細に解析された脳波をもとに、発作症状、画像検査などを総合して今後の治療を検討していきます。