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ロボット支援前立腺全摘除術の治療実績

更新日:2018年4月10日

2016年10月より最新鋭のダビンチXiを用いたロボット支援手術を開始し、2017年12月までに50件のロボット支援前立腺全摘除術を施行しましたので、治療成績について報告します。

患者さんの平均年齢は69歳(60~77歳)、PSA値は平均11.0 ng/mL(3.73~44.0 ng/mL)、グリソンスコアは6が22名、7が15名、8以上が13名でした。臨床病期(ステージ)はT3a(被膜外浸潤)の2名以外はすべてT2(限局癌)でした。
治療成績については、平均手術時間は4時間15分(2時間55分~6時間48分)、平均コンソール時間は3時間24分(2時間7分~5時間11分)、平均出血量は173 mL(20~500mL)(図1~3)、摘出標本重量は平均45g(20~115g)でした。高リスク群の17例(34%)に対して骨盤内リンパ節郭清(閉鎖リンパ節)を施行しましたが、全例においてリンパ転移は認めませんでした。神経温存術は15例(32%)に施行しました。術中合併症はダビンチ操作ではなく、手術開始時のカメラポート作成時に小腸損傷を1例に認めましたが、保存的治療により軽快しました。術後合併症は腹膜炎2例、鼠経ヘルニア2例、腸炎1例、感染性リンパ瘤1例に認め、腹膜炎と腸炎は保存的治療により軽快し、鼠経ヘルニアは外科にて根治術を施行し、感染性リンパ瘤は経皮的ドレナージ術により軽快しました。術後入院期間は平均8.4日(7~20日)でした。
病理診断では病期はpT2が28例、pT3aが15例、pT3b(精嚢浸潤)が5例、pT0(術前ホルモン療法にて寛解)が2例でした。グリソンスコアは6が5例、7が36例、8以上7例でした。切除断端陽性を9例(18%)に認めましたが、全例が局所進行癌(pT3a-b)でした(表1)。尿禁制について、1日1枚までの予防的なパッド使用を尿失禁なしと定義しますと、術後1か月で53%、3か月で83%、術後6か月で90%と、従来の開腹手術と比較しても良好な結果でした(図4)。
50件のロボット支援手術の経験により、手術時間は3~4時間まで短縮し、出血量は従来の開腹手術時の平均出血量600mLと比較しても、1/3以下と著明な減少がみられました。癌制御に関しては他施設とほぼ同等で、尿禁制は他施設より良好な結果でした。現在、手術の待期期間は約1か月ですが、今後は手術日を増やすなど可能な限り待期期間を短くし、最善の医療をご提供していきたいと考えています。


図1 手術時間

図2 コンソール時間

図3 出血量

表1 癌制御

図4 手術後の尿禁制(尿失禁なし)
※1日のパッド使用 0~1枚(予防的使用)を尿失禁なしと定義