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8月 奇異性脳塞栓と卵円孔開存症 (PFO)/小児循環器科

更新日:2020年8月3日

【特集】奇異性脳塞栓と卵円孔開存症(PFO)

奇異性脳塞栓(きいせいのうそくせん)とは

脳の血管が細くなったり、詰まることで脳の神経細胞に障害をきたす脳梗塞という病気があります。脳の血管が詰まると数時間以内に神経細胞が壊死してしまい、再生も難しいことから麻痺などの重大な後遺症が残ってしまうこともあります。脳梗塞の原因には動脈硬化や不整脈が知られていますが、それ以外の原因の一つに「奇異性脳塞栓」があります。
奇異性脳塞栓は先天的に心臓に穴が開いていたり、肺の動静脈奇形を持つ人で、足などの静脈にできた血栓が動脈系に流れ込み、脳血管に詰まる病気です。成人の奇異性脳塞栓では「卵円孔開存症(PFO)」が一番多い原因です。

卵円孔開存症(らんえんこうかいぞんしょう)とは

卵円孔は右心房と左心房の壁(心房中隔)に開いている孔(穴)です。胎児の時はだれもがもっており、生後自然に閉じていきますが、閉じずに残った状態を卵円孔開存症といい、成人の約25%に見られます。通常は無症状で治療の必要はありません。しかし一部の人で咳や排便などで静脈圧が上昇した時に卵円孔を介して右心房から左心房に血液が流れ込むことがあります。この時、静脈にできた血栓が一緒に卵円孔を通過し脳に達すると奇異性脳塞栓などを引き起こします。

新しい低侵襲治療 ※

※低侵襲治療(ていしんしゅうちりょう)・・・患者さんのからだへの負担が少なく、回復も早い治療

奇異性脳塞栓は比較的若い人に多い特徴があります。従来から再発予防のために薬剤治療や、卵円孔を閉じる心臓手術が行われてきましたが、再発率が高いことと、からだにかかる負担が大きいことが問題でした。
2019年12月から新しい治療として、閉鎖栓を用いたカテーテル治療が認可されました。閉鎖栓はニッケルチタンの合金で編まれた2枚の笠がつながったような構造をしています。(図1)
引き延ばした状態でカテーテルに挿入し、卵円孔を両側から挟んで閉鎖します。(図2) カテーテルは足の付け根の静脈から入れていくので、心臓手術と比べ胸に傷が残らず、低侵襲なので短期間で退院できます。また薬剤治療単独りも予防効果が高いことが証明されています。
当院も2020年2月に閉鎖栓を用いたカテーテル治療の実施施設に認定されました。脳神経外科、脳卒中科、循環器科、小児循環器科で連携して立ち上げた「ブレインハートチーム」が、最適な医療を提供いたします。

文責:小児循環器科 部長 中嶌 八隅

【診療科・センター紹介】小児循環器科

小児に限らない先天性心疾患の治療

小児循環器科は生まれつきの心臓病(先天性心疾患)や川崎病の後遺症、小児の不整脈など心臓病の診療を行っています。主に小児の方を対象としていますが、先天性心疾患では小児に限らず胎児から成人に至るまで、幅広い年齢層の方を診療しています。
これまで先天性心疾患の治療は心臓手術が主でしたが、低侵襲のカテーテル治療が可能な症例が増え、当科でも積極的に導入しています。先天性心疾患は子どもの病気のように思われがちですが、実は成人になってから発見されることも多く、成人患者さんのカテーテル治療も積極的に行っています。卵円孔開存症の治療も導入し、さらに多くの先天性心疾患の患者さんに低侵襲のよりよい医療を提供していきます。

文責:小児循環器科 部長 中嶌 八隅(写真左端)

2020年8月号(冊子)

表紙・特集
奇異性脳塞栓と卵円孔開存症 (PFO)
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