強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)
放射線を、当てたいところにはなるべくきれいに当てて、当てたくないところにはなるべく当てないように、非常に高いレベルでバランスをとる放射線治療の技術です。

IMRTによる線量分布図:通常の照射と比較し、複雑な照射野形成が可能となります。
放射線を必要なところにだけなるべく上手にきれいにあてる事は非常に大変です。なぜならば多くの場合、病巣(放射線を当てたいところ)は体の奥にあります。その周りにはできるだけ放射線を当てないで済ませたい臓器がたくさんあります。それら周りの具合をよく考えて放射線のかかり方を上手に調整しなければなりません。
周りへの放射線のかかり具合は放射線治療に伴う有害事象(副作用)に大きく関係します。また病巣の形も患者さまごとに様々で、とてもでこぼこしています。 病巣の隅々まできれいに放射線をあてる事は放射線の効果を充分引き出す事につながります。
人間の体の形はとてもいびつです。病巣の形も周りの臓器の形もいろいろです。それにあわせて放射線を調整するためには非常に高度なシステムと技術が必要です。
さらにそのシステムを使いこなして計画を建てたり、放射線の出方をチェックしたり(検証といいます)、日常的にも装置の点検整備には長い時間とたくさんの労力が必要となります。聖隷浜松病院では2001年からこの方法に取り組んできました。多くの経験と実績を元に2006年には最新のシステムを追加導入して、より高いレベルでの「強度変調放射線治療」を行っています。

3次元水ファントムを使用した検証の様子

IMRTファントムを使用した検証の様子

IMRTによる線量分布図:通常の照射と比較し、複雑な照射野形成が可能となります。
「強度変調放射線治療」は、放射線治療を受けられる方ひとりひとりに、より適切な最善の放射線治療を提供できる方法です。しかしこの方法を行なう事は簡単ではありません。充分な機材機器がそろった施設で、経験ある専任の放射線腫瘍医や研鑽(けんさん)を積んだスタッフが、様々な工程を全てこなして初めて提供できます。
現在、保険診療として認められている対象疾患は、中枢神経、頭頚部、前立腺原発の限局性のがんです。さらに、その他の疾患においても医学的に有用性が高いと判断される場合は、「強度変調放射線治療」を行います。