【14】最終回

連載読んで受診した方も

 連載を始めてから、外来に通って来られる多くの患者さんから声を掛けられました。「もっと前からやってほしかった」「てんかんの理解が深まった」などです。
 また、症状が記事の内容と似ていたため、外来を受診された方もおられ、迅速かつ適確な治療につながりました。このように目に見える好影響がみられ、スタッフにとって大きな喜びでした。
 質問や要望もいただきました。中でもわれわれが困惑したのは、いまだに、てんかんは感染するものと思われている方が多かったことです。繰り返しますが、そのような感染性の疾患ではありません。
 日常生活では、家族も含めてどのようなことに注意したらよいのか、という具体的な質問もありました。てんかんはどのような時に一番起きやすいのでしょうか。いくつか挙げられますが、睡眠不足や過度の疲労、ストレスなどは大敵です。普段発作がなくても、寝不足が続くような時には、注意して早めに床につくなどの対処が必要です。
 社会生活をしている以上、完ぺきに理想的な生活をするのは無理ですが、注意すべきことを知っておくことは、発作を予防する上で重要です。
 万が一、発作が起きてしまった場合はどうしたらよいでしょうか。発作にはさまざまなタイプがあることは、今までの連載をお読みになって気が付かれたと思います。
 発作時の対処法は、連載第10回「熱性けいれん」で書きましたが、もう一回説明します。意識がなくなり、体全体に力が入ってけいれんを起こす発作の場合に最も注意が必要です。発作中と発作後は気道確保のため、体はあおむけではなく、顔もいっしょに横に向けましょう。口には物を入れてはいけません。ご家族や周囲にいる人たちは慌てず、まずはこれらの処置をした上で、救急車を呼ぶか、最寄りの病院に連絡を取りましょう。

山本貴道・聖隷浜松病院てんかん科部長

《てんかん》
脳の神経細胞の興奮が異常に高まって発作を繰り返す病気。発作は多彩でけいれんを起こしたり意識が濁ったりする。小児期の発症が多い。治療で改善する。最も多い脳の病気の1つだが、一部に心の病との誤解があり、治療を受ける割合は1万人に2人と低く、正しい理解が求められている。

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