

望ましい「医療」とはどういうものでしょうか。それは、受診者に対する負担(精神的、肉体的、経済的)が必要最小限であり、正確な診断に基づいた治療が迅速・的確であることと言えるのではないでしょうか。そのためにはまず、負担をかけずに正しい診断を行うことが求められます。
通常の医療機関での診断(診療)の流れを見てみましょう(図1)。担当医師が診察の後、必要な検査項目を依頼し、項目に従い採取された血液や尿などの検体が検査室に運ばれ測定機器にかけられます。検査結果は外来や病棟のカルテに入力され、その結果をもとに担当医師が専門的判断をします。このように、検査結果が依頼した医師の元に直接戻るシステムとなっています。
聖隷浜松病院ではどうなっているのでしょうか。実は、他の施設とはかなり違った運用となっています。
当院では、2001年4月より「後方診療支援システム」という本邦初の試みを立ち上げ、以後日々の診療に活用しています(図2)。受診者の検査結果で一項目でも何らかの異常が見出された場合、データは担当医師へ返還前に臨床検査技師と臨床検査科の医師が協力の上、確認し解析します。結果の程度・緊急性に応じて担当医師に直接電話連絡、もしくは解析コメントのカルテ入力がなされます。担当医師はそれらの情報を診察時の参考にすることができるため、他の医療機関に比べて漏れのない迅速・的確な支援体制となっています。
皆さんの目に見えないところで、担当医師が検査を依頼した“後”の検査結果を対象とし、医師の“後方”に控えて最大限のサービスに徹するとの意で「後方診療支援システム」と命名しました。
臨床検査医と臨床検査技師が系統立てて解析作業をすることで、皆さんの自覚していない異常、あるいは担当医師が気づいていないかもしれない病気を見つけることも可能となります。日々の作業の継続により検査の解析能力も向上し、受診者への還元にもつながるという一石二鳥の効果があるのです。受診者、医師、検査室の三者に有益であり、医療の質の向上と危機管理の保証の観点からも大変有効なものと言えます。


「医療」と「料理」は大変よく似ています。共に人間の健康に深く関与する重要なものであり、最善のものを需要者に享受していただくという明確な目的があります。
「料理が上手」とは、料理自体が美味しいことに加え、素材を残すことなく活かすことも求められます。医療の分野では、料理で言うところの味の善し悪しが最重要ですが、素材の活用の観点からはまだまだと言えるでしょう。当院では料理自体(診療実績)に加えて、いかなる素材でも最大限に活用する姿勢において他の施設に先んじています。高級食材(高額な検査)であれ、手頃な食材(簡単な尿検査など)であれ、無駄なく徹底的に素材の特徴をひき出し、需要者にその時の最高・最善のものを提供するのがこのシステムです。安易に高額・特殊な検査に頼ることなく簡単な検査を徹底利用する姿勢は、皆さんの負担軽減に加え医療経済上も望ましく、医療界のエコ活動とも言えるでしょう。データを徹底的に解析することで潜在性の病態を見出し、予防につなげることも可能です。
皆さんとは直接お会いすることのない我々検査の人間が、皆さんの貴重なデータを徹底的に活用し、必要に応じて無償で追加の検査を施行することでよりよい医療の実現に努力していることをご理解いただけましたら幸いです。
文責:臨床検査科部長 米川修
担当:部長 片山元之
IVRとは Interventional Radiology:インターベンショナル・ラジオロジーの略語で、X線(レントゲン)透視画像、血管造影像またはCT画像などを見ながら、カテーテルと呼ばれる細い管や針を用いて病気を診断、治療する患者さまに優しい最先端の治療法です。IVR技術の多くが放射線科によって開発され臨床応用されてきたため、当院も含め多くの施設でIVRを標榜しているのは放射線科となります。
IVRは血管系IVRと非血管系IVRに分類され、非血管系IVRは個々の診療科で幅広く行われています。一方、血管系IVRは脳血管領域が脳神経外科・脳卒中診療科、心臓冠動脈領域が循環器科により主に行われています。現在、当院放射線科で行っているIVRは、肝動脈塞栓術(TAE)、肝動注リザーバー留置術、外傷などの動脈損傷に対する緊急止血術、透析シャント血管狭窄に対する拡張術(PTA)、病気の診断のためのCTガイド下針生検、膿瘍ドレナージ術などです。これらの適応は各診療科の主治医と相談して決定いたします。患者さまを直接診察することはありませんが、ご不明な点につきましてはその都度対応させていただきますので、各診療科主治医にご相談ください。

近年、画像診断室における検査・治療はめざましく進歩しています。それに伴い内容も多様化しているため、患者さまがわかりにくい事も多いと思います。
そこで少しでも安心して検査をお受けいただけるように、画像検査インフォメーションでは画像診断室スタッフがパンフレットやビデオを使用し、検査内容・検査前の注意事項などをわかりやすく説明しています。また、検査前の患者さまの声を継続し、検査・治療の場での看護に活かしています。
何かご不明な点がありましたら、遠慮なくお尋ねください。
※対象検査:胃カメラ・大腸カメラ・胃や腸のバリウム検査
画像診断室

国は平成19年4月より「がん対策基本法」という新しい法律を作りました。これは、今や日本人の死因で1番多い「がん」について、国民が質の高い医療サービスを受けられるよう取り組むためのものです。
その取り組みのひとつである地域がん診療連携拠点病院の指定を受けた当院では、がん診療の体制を整備するとともに、患者さま、地域の皆さまにがん診療に関わるさまざまなことをお伝えするよう努めております。
このたび、がん診療に関わる情報をパンフレットとしてご用意しました。院内にございます『がん診療掲示板』にて無料配布しておりますのでご利用ください。
がん診療支援センター