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【最新号】理事 日下部行宏(2018年10月号-ⅱ) 米国視察~医療情報の徹底活用と巨大ヘルスケアシステムの実例を拝見して~

 9月29日から10月5日にかけて、米国の医療機関の視察に行ってきました。今回はそのご報告をさせていただきながら、視察からの雑感を綴りたいと思います。
 視察は聖隷の保健事業部長である福田崇典医師を団長として、今後の経営体制の在り方を研究するために企画されました。まずはデータ活用を徹底的に行ったらどうなるのかということで、ジョンズホプキンス大学病院の「Capacity Command Center」(CCC)を視察。続いて、巨大化していく大規模医療法人の代表としてピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)を視察させてもらいました。


ジョンズホプキンス大学病院(JHH)

情報の一元管理を行うCCC内にて
日下部(左)、福田医師(右)
案内していただいたアナ・イー様(中央)

 ボルチモアにあるジョンズホプキンス大学はノーベル賞受賞研究者を何度も輩出し、日本でいうところの東大、京大の医学部にあたるような超名門校です。ジョンズホプキンス大学病院は大学病院ではあるものの、コミュニティホスピタルとして地域の医療についても責任を負っていることから、救急車の受け入れや近隣医療機関からの紹介受け入れも行っています。実態として、救急車受け入れ後に救急室から入院するベッドがないことや、手術後に移るベッドがないといった事態が発生していました。
 そこで、ベッドコントロールや救急車、紹介患者受け入れの一元管理を行うCCCが企図されました。CCCの室内にはPC端末が27台、正面には大型スクリーンパネルが16枚も並んでいます。NASAのコントロールルームをイメージしていただけるとよいでしょう。病棟や外来で患者の移動時間が入力されるとリアルタイムに反映され、患者の待ち時間が表示されます。ベッドの空き状況はもちろん、統計的なデータ解析により将来予測まで出しています。例えば夕方の時点で10ベッドしか空きがなければ、夜間の受け入れにより5ベッド不足するといった情報が出せるため、それを確認してベッドコントロールをしています。これらの予測値はおおむね95%の確率で当たる精度にまで解析されているとのことです。
 私も聖隷浜松病院事務長時代に医療情報センターを組織して、院内情報の活用を目指していましたが、それらを究極的に高めていくことでCCCに行きつくのだと感じました。

ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)

 ピッツバーグは、かつて鉄鋼の街として栄えた工業都市でしたが、鉄鋼業が衰退したのちは医療産業に注力して、まさに医療都市として発展しています。その中心となっているのがUPMC。売上は2兆円、職員数は8万人を超える巨大医療グループです。こちらでは巨大企業体のガバナンスや人事体制について意見交換し、さらには国際進出や最新の遠隔医療体制などについてレクチャーをしてもらいました。
 ガバナンス体制など大いに勉強になったのですが、見学させていただいた「UPMC East病院」が特に衝撃的でした。病床156のコミュニティ病院ですが通常で医師200名、看護師が300名勤務しているとのこと。一般病室の入院料は一日約20万円だそうです。これは米国の病院のスタンダードから逸脱したものではなく、おそらく平均的な姿であると思います。米国と日本との医療提供の考え方の違いを強く感じました。

視察を通じて

 アメリカは医療保険制度に代表されるように日本と異なる医療提供体制となっていますので、アメリカのものをそのまま導入することは難しいのですが、データ化や標準化はうまく機能しているように見受けられました。私も従来からクリニカルディシジョンサポートシステムの必要性を考えているのですが、JHHでもUPMCでも導入されており、アメリカで医療の標準化が電子的に進んでいることを実感しました。入院の判断基準や時間などの記録を残すことの重要性についても、聖隷浜松病院JCI審査の際にサーベイヤーが言っていることの感覚がよくわかりました。
 電子的な医療情報の整備について日本が全く遅れている実感を持ちました。将来CCCのノウハウがソフトとなって、UPMCのような巨大資本と組んで世界進出したときに日本の医療機関は対抗できるのかとふと不安がよぎったことも正直な感想です。とはいえ、生活者にとって優れた医療技術に安価にアクセスできる日本の保険制度はやはり誇るべきものであることも再認識しました。 
 JHHもUPMCも優れた医療機関であり、課題に対してチャレンジする姿勢も大いに刺激をうけました。今回の視察の経験を今後の聖隷のガバナンス事業計画に活かして、質が高く、持続可能な医療提供体制について考えていきます。
常務執行役員 日下部行宏のプロフィール
こどもの頃の夢大工
平均睡眠時間5時間
好きな食べ物

【秘書・広報課からのお知らせ】2018年10月15日 社内報「聖隷」288号発行しました

 聖隷福祉事業団は社会福祉法人制度改革において指摘されている、「地域公益活動の推進」、「積極的な情報発信」に力を入れ、社会福祉法人の使命を追求していきます。特に、公益活動の定義を明確にし、活動内容とその実績について社内報や本ホームページ等を通じ情報公開を行っていきたいと考えています。私どもの事業の社会的意義を多くの方に知って頂くために今まで以上に積極的に広報活動を行っていきます。

 社内報「聖隷」288号では特集「聖隷の訪問看護」や開設15年目を迎えた聖隷佐倉市民病院を紹介しています。
なお、聖隷福祉事業団がオフィシャルパートナー及びジョブパートナーとして応援する「ブレス浜松」の加藤選手、水上選手が表紙に登場しています。こちらよりご覧ください。

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