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理事 荻野和功:聖隷三方原病院院長 (2020年8月号)地域基幹病院に於ける無症状陽性患者(不顕性患者)対策

 非常事態宣言により一旦落ち着いた新型コロナ感染症も、解除後約1ヶ月が経過する中、東京や大阪といった大都市、20代30代といった若者を中心に感染が再燃し、次第に地方都市にそして中高齢者にと、1日400名を超える新規患者数となっている。一方非常事態宣言により落ち込んだ経済活動を少しでも回復させたい政府は、非常事態の再宣言には消極的である。そのような中、地域の基幹病院という医療崩壊が許されない立場にある医療機関で、職員・患者さんへの感染を防御する対策はあるのだろうか?


 都会の特定機能病院を中心に手術症例の全員にPCR検査を行っている。これは無症状陽性患者によるウィルス感染を防御する目的である。ウィルスの存在する領域を手術する耳鼻科や口腔外科、さらに怒責のようにウィルスを拡散する行為を伴う挿管などの操作時の感染を防ぐのが目的のようである。新型コロナの感染者の中で、感染期間中に全く症状の出ない無症状感染者の割合(不顕性感染率)は、特定の地域全員のPCRとその予後を調査する必要がありなかなかデータとして表れない。感染者の年齢層によっても変ると思われるが、ダイヤモンドプリンセスではほぼ全員のPCR検査とその後の調査が行われている。それによると無症状患者割合は17.9%(113/634)と報告されている。さらに有症状者もその症状が出る前よりウィルスは飛沫に含まれるようなので、この時期の患者も含み、無症状患者と合わせて拾い上げることが重要である。
 しかし、いま最も感度の高いPCR検査も約70%でしか拾い上げることが出来ず、特異度も100%ではないため偽陽性患者も発生することになる。極めて低い陽性率と思われる浜松地区で、感度70%の検査を高い医療費を使い行うことの意義については、感染症専門家は疑問符を投げている。むしろ全例の挿管時現場に居合わせるスタッフにPPE(※)装着させるほうが予防法としては優れているように思われる。同様に、ERに搬送される救急患者についても、発熱などの症状のない患者さんの中に上記の方々が含まれている確率は同様かと推測される。さらに捻挫などで訪れる若い外来患者さんに於いても同様のリスクが存在する。
 以上より結論を急げば、このウィルスの完全な予防対策は現状不可能というのが私の考えである。低い確率ではあるが医療崩壊が起こり得ることを覚悟して診療に臨み、ワクチンや治療薬の開発を待つしかないようである。

※PPE(Personal Protective Equipment)=個人防護具

~この記事は2020年7月22日に執筆されたものです~

聖隷三方原病院の紹介

所在地〒433-8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
電話番号053-436-1251FAX053-438-2971
開設日1942年12月24日定員・定床数934床(一般810床、精神104床、結核20床)
施設種別
  • 医療保護施設
  • 助産施設
  • 居宅療養管理指導事業
  • 訪問看護事業
ホームページ こちらをご覧ください

「聖隷三方原健康タウン」の中核施設として、内外の関係機関と連携し、地域住民の方々の健康を守っています。

2019年11月に開設した「地域障がい者総合リハビリテーションセンター」。
リハビリテーション外来棟に障がい者スポーツ・一般訓練用アリーナを併設し、地域に根差した障がい者支援をします。


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