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理事長メッセージ

聖隷福祉事業団 創立90周年記念事業の展開趣旨について ご挨拶

はじめに

理事長 山本敏博

 企業には30年ごとに節目があると言われます。聖隷福祉事業団の創立である1930年、結核患者の看病を始めた黎明期から戦後復興、社会福祉法人として形づくられてきた最初の30年がありました。そして1960年ころからは我が国の高度成長期に合わせて近代的な医療の提供を中心に大規模法人としての礎ができた30年。そして私がちょうど法人本部事務局長に就任した1990年から今日までの30年間は、介護保険への対応や国立病院の経営移譲など施設設備の近代化、質の追求、新規事業への取り組みを進めたことで、聖隷は総合力を持った社会福祉法人として発展をしてきました。

 特に80周年であった2010年からの10年間は少子高齢化の進展や社会保障財政への危機感などから国の政策も大きな変遷を経てきましたし、社会的な課題も高度化、複合化、複雑化が進んで来ました。それらに対応して聖隷福祉事業団も保健・医療・福祉・介護サービスの各分野が連携し、総合的な能力を持った社会福祉法人として発展を遂げてきました。この10年間を振り返ると共に、10年後の100周年を目指す節目として、聖隷福祉事業団創立90周年記念事業を挙行することといたしました。

地域と共に、職員と共に

 まずは90周年を迎えるにあたり聖隷福祉事業団をお支えいただいた皆様に感謝を申し上げます。患者・利用者として聖隷のサービスをご利用いただいている皆様。近隣の医療機関・施設の皆様、医師会、教育機関などの団体の皆様。自治体等の行政の皆様。そして建築や日々の運営に関わっていただいている企業の皆様など実に多くのご支援、ご協力により聖隷が支えられてきたことを職員一同あらためて思いを致し、厚く御礼を申し上げます。

 またこの機会に、手前味噌にはなりますが、聖隷職員の献身的な努力を称賛したいと思います。地域に貢献したい、患者や利用者によりよい医療や介護を提供したいという思いと、それを達成するための工夫や勉強を重ね、目の前のお一人おひとりの利用者のために職員各自が努力してきました。このような職員に聖隷の事業が支えられてきたことを私は誇りに思います。

存在意義の再確認を

 1930年、数名の若者たちが行き場のない結核患者を受け入れ、看病を始めたのが聖隷福祉事業団の創業です。過激な反対運動から患者を守ったり、結核患者の食べ残しを煮なおして食べたりといった草創期のお話はもちろん、ホスピスや周産期センターのいち早い設置、1980年代の重大な経営危機をのりきったことなど幾多の困難や新たな挑戦を経て、また多くの方々のご支援や先人たちの努力により今日の聖隷福祉事業団が形成されてきました。現在、私たちは日々当たり前のように医療・福祉を提供するようになったのですが、ここに至るまでの様々な物語があったことを忘れてはいけません。創立から脈々と引き継がれてきた隣人愛の精神を基盤として、医療・福祉の領域で幅広い事業を展開してきた実績を顧みて、聖隷福祉事業団がどのような貢献をしてきたのか、そして何のために聖隷福祉事業団は存在するべきか。90周年の節目にあたり、私は聖隷福祉事業団の存在意義を再確認し、職員と共に分かち合いたいと思います。

聖隷福祉事業団の存在意義4つの再確認

 90周年記念事業を通じて聖隷福祉事業団の存在意義の再確認をするために、4つのテーマを掲げ、展開していきます。

①聖隷福祉事業団の使命の再確認
 聖隷福祉事業団の基本理念「隣人愛」を体現した5つの使命と行動指針。今までの発展を支えた使命と行動指針が今後もゆるぎないものであることを共有していきます。

聖隷の使命
・命と尊厳のために
・利用される人々のために
・地域社会と共に
・未来を築く
・最高のものを

職員行動指針
1.わたしたちは、ひとりひとりの命と尊厳を守ります
2.わたしたちは、サービスを求めるすべての人々に、誠実かつ献身的に仕え、その自立を支援します
3.わたしたちは、「保健・医療・福祉・介護」サービスを通して社会に貢献し、地域の人々との強い絆を育みます
4.わたしたちは、先駆的・開拓的精神で新たなニーズの発見に努め、常に課題に挑戦します
5.わたしたちは、ひとりひとりが専門職としての倫理と誇りを持ち、最高の技術を提供します

②総合化力の再確認
 保健、医療、福祉、介護サービスを大規模かつ総合的に提供できる事業体は多くはありません。様々な事業を総合的に展開する力(=総合化力)によって一人の人生を出生から保育、健診、疾病、介護や終末期ケアなど、様々な場面で支えるとともに、地域の発展・維持にも貢献ができたと思います。また、幅広い事業領域を持つことは、人材育成、経営の安定化という点でも大きな力になっています。職員にとってもキャリア形成や安心して働ける環境を実感し、聖隷福祉事業団で働く意義を再確認します。

③新たな挑戦
 聖隷福祉事業団は将来に向けても責任を果たしていく集団でありたいと考えています。社会福祉法人として「地域における公益的な活動」に取り組むと共に、「地域共生社会」をキーワードに“聖隷が地域をより良くしていく”という思いを共有します。10年前と比べて職場には障がいを持った方や高齢者、外国出身の方が増えたことをうれしく思っています。女性の経営職も増えました。10年後は利用者も、働く職員もさらに多様な背景、多様な考え方を持つ地域社会や職場になっているでしょう。90周年の機会に「グローバル化」「ダイバーシティ」をより強く意識し、「SDGs」(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)など未来に向けた組織作りに挑戦していきます。

④感謝
 冒頭にも申し述べましたが、ご利用者やそのご家族、医師会や近隣病院・施設、そして協力いただいている企業様など多くの方のご支援で90周年を迎えることができます。同時に、現在の聖隷福祉事業団の発展は職員の努力なしでは語れません。果敢な挑戦と真摯な努力を積み重ねてきた職員に私は心から敬意を表します。お支えいただいたすべての方々に感謝し、謙虚な気持ちで次の100周年に向かって歩みだしたいと思います。

100周年に向けて…地域共生社会の実現に向けて社会福祉法人として役割を果たす

 聖隷福祉事業団は総合化力により日本版Integrated Healthcare Network(略称IHN)とも評されるようにもなりました。我が国で有数の大規模な社会福祉法人として大きな責任を担っているとも言えます。また、今後の少子高齢化の進展など、我が国の将来像は周辺アジア諸国の将来の姿を先取りすることになり、“課題先進国”と呼ばれています。聖隷福祉事業団は課題先進国の社会保障の最前線を支える役割を負っていることになり、日常業務の一つひとつの工夫が世界の最先端の取り組みになるとも言えます。未来に大きな責任があるからこそ、今後の社会の変化に対して対症療法ではなく、先を見越した意味のある仕事ができる組織としていきたいと考えています。来る100周年に向けて聖隷福祉事業団が目指すべき将来像の一つとして「地域共生社会の実現」があります。子どもから高齢者、障害がある人、外国人などがお互いに支え合って、同じ地域で住み続けられる社会を創っていこうというもので、聖隷福祉事業団は社会福祉法人として地域共生社会の実現に積極的に取り組み、社会的な課題解決に向けて支援をしていきます。8050問題(80歳代の親が同居する無職独身の50歳代の子どもを支える)など、かつては問題があると認識されていなかった事態が顕在化しています。ACP(アドバンスケアプランニング:愛称「人生会議」)の周知など健康・福祉情報の啓発、意志決定への支援も社会的な課題解決へつながります。社会健康医学や医工連携など、“まちづくり”への取り組みも推進していきます。あらゆる企業・団体と連帯していくためにもSDGsといった国際的な取組への参加を通じて、社会的な課題解決に取り組んでまいります。

 聖隷福祉事業団の取り組みが日本の将来や世界の課題解決につながることを思いつつも、まずは目の前の患者・利用者お一人おひとりに質の高いサービスを提供し、聖隷福祉事業団の施設があってよかった、サービスが地域でもっと良い、と評価していただけるように引き続き努力してまいります。10年後によりよい日本や世界となるよう聖隷福祉事業団は設立90周年を機会にして、より一層、地域に貢献する社会福祉法人として、時代の変化に対応し、地域共生社会の実現を目指してまいります。

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