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理事長 年頭所感


本年頭所感は、2021年1月に発行されたものです。

はじめに

浜松ウエルネスプロジェクトの一環で検証をすすめている
聖隷MCI(軽度認知障害)スタディ

 皆様健やかに新春をお迎えのことと存じます。まずは、新型コロナウイルス感染症に最前線で対応している医療・福祉を支えてくださっている職員へ心より敬意と感謝を申し上げます。2020 年は未知のウイルスにより在宅勤務の積極的な導入など働き方が一変しました。聖隷福祉事業団(以下、聖隷)においても、WEB会議(※1)の積極的な導入を行いました。保健事業、医療事業は受診者が減少し、経営的にも大きな影響がありました。しかしながら全事業部が協力して感染症への対策を行うことで、利用者に安心してご利用いただける環境を整えることができたと考えております。そのような状況の中でも、浜名湖エデンの園新1・2号館グランドオープン、IMPELLA(※2) を聖隷三方原病院が導入、静岡県初となるサイバーナイフ(※3)を聖隷浜松病院が導入、浜松ウエルネスプロジェクト(※4)への参加などニーズに合わせたサービスの提供が実現できました。

 さて、2040 年には高齢者の数はピークを迎えます。政府は全世代型社会保障検討会議(※5)を開催し、社会保障全般にわたる持続可能な改革を検討しています。聖隷としても、創立90周年事業としてプロジェクトチームを組み、社会の変化、複雑化したニーズに応えるため、広域・多事業展開によるメリットとリスク分散をしてきた強みを活かし、さらに質の高いサービスを追求し続けている、という将来像を構想しました。少子高齢化、あらゆる分野でのデジタル化、さらにコロナ禍もあり、先行きが見通しにくい時代になっていきます。だからこそ、今までにない発想を盛り込み、新たな時代においても地域に貢献し続けるという強い意思を示した、「Vision2025」、「中期事業計画2021−2025」としました。今年は年頭所感として、この中期事業計画をご紹介します。

1.社会福祉法人として 最高の質を追求した事業を展開する

 聖隷の事業は利用者がなにかしら困ったときにご利用していただくサービスだからこそ、安心し、信頼していただける最高の質を追求します。利用者視点に立った最高の質について議論し、真摯に質の向上を目指します。聖隷は、地域共生社会の実現に貢献する社会福祉法人として、地域における公益的な取組を実践してまいります。制度の狭間のニーズを発見し、地域を支える新たな仕事を見出し、先進的な医療の提供、健康寿命の延伸に向けた予防への関与やゲノムなど最先端の課題に挑戦し、最高の質(地域で一番のサービス)を提供してまいります。

2.地域ごとの課題解決に繋がる 事業部間の連携を構築する

 聖隷の事業は全国に広がりましたが、一方で、地域特有のニーズにこそ応えていかなければなりません。地域で一番のサービスを実現するためにも事業部間での連携は欠かすことはできません。利用者の複合的で解決困難な課題に対応するため利用者情報を事業部間で共有することが求められます。そのために、職員間で情報交換がしやすい環境や検討する場を設け、さらに、属する事業部のことだけでなく、地域として垣根を越えて連携し、課題解決に繋がる仕組みを構築してまいります。

3.人材の確保と育成を推進する

 聖隷の質を体現・継承できる「聖隷人」は事業継続を行うためにはかけがえのない存在となります。生産年齢人口が減少する中、需要拡大が見込まれる聖隷の事業を支える人材は益々必要となります。人材の確保と育成を図り、地域における事業の発展と存在意義の向上を目指します。
 また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い新しい生活様式の中で、集合研修の在り方を見直し、職員一人ひとりが知識、技術を遺憾なく発揮し、やりがいをもって成長できるキャリアデザインの実現をサポートする研修の実施及び研究の倫理審査をサポートする取り組みを行ってまいります。

4.大規模広域法人としての 強みを活かした仕組化を推進する

BCPの観点から防災意識強化のメッセージを込めた
創立90周年記念品の携帯ライト

 新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るい、マスク、手袋、ガウン、消毒液、医薬品などの流通が一時停止し、現場で混乱が生じました。今後、想定しない大規模災害にも事業を継続できるBCP(※6) 対応を強化してまいります。合わせて、聖隷全体としての物流管理の構築及び情報の共有を行い、スケールメリットを活かす取り組みを行ってまいります。さらに、一元化された情報をもとに、病気を予防する取り組みの発信などシンクタンク機能も積極的に強化してまいります。

5.聖隷DX(デジタル・ トランスフォーメーション)(※7)を推進する

AIとロボットが歩行をサポートするウエルウォーク

 DX は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と経済産業省が定義しています。マイナンバーカードの保険証利用など、医療福祉領域の政策的なデジタル化が急速に進んでおり、我々もこの動向に後れを取るわけにはいきません。聖隷DXではICT(※8)、AI(※9)、見守りセンサー・ケア記録の電子化等を活用することで、少人数であっても質の高いサービスを提供し、効率性の高い業務体制を構築します。また、事業部を越えた利用者情報の共有ネットワークシステムの整備を行います。

6.ディーセント・ワーク(人生と両立できる 働きがいのある仕事)(※10)を推進する

介護福祉士として活躍するインドネシア出身の職員

 ディーセント・ワークとはSDGsの目標8に記載されている「働きがいのある人間らしい仕事」のことです。中期事業計画2021-2025ではライフコースやワークライフバランスに配慮した「人生と両立できる働きがいのある仕事」と定義しました。職員とその家族の健康を第一に考えるといった健康経営の推進、これまでも行ってきた長時間労働の是正や労働環境の整備などを医師の働き方にも実施し、働き方改革制度へ対応してまいります。
 また、多様な人材には、様々な価値観、個性があり、それが聖隷の事業にも活かせると考えます。外国出身者、高齢者、障がい者などの活躍の場も積極的につくり、今まで以上にダイバーシティ(※10)を推進してまいります。

7.現有資源を有効に活用し 経営環境の急変にも揺るがない財務体質とする

 これからの5年間はこれまでの投資効果を発揮するステージであるとともに経営の安定化を築く期間と位置づけます。環境の急変にも揺るがない財務体制を築いていきますが、まずは病床や健診枠、医療機器の稼働率、施設の入居率など現有資源を有効に活用することからスタートします。投資の判断は費用対効果をいままで以上に考慮して行ってまいります。
 一方で、聖隷への期待はますます高まります。これから聖隷がさらなる先駆的な事業を実現し、適切な労働環境を整備していくためには、経営的な成長も必須です。効率性を高めつつ、健全な成長を達成します。

結びに

 私、山本敏博は在任20年を節目と考え、2021 年3月31日付で聖隷福祉事業団理事長の任を退きたいと考えています。この場を借りて、皆様からの長年のご支持に心より感謝申し上げます。2000年、医療制度改革の議論が本格化され、介護保険制度が導入された中、故長谷川力前理事長から引き継いでの20年間をあらためて振り返ると、万感の思いがこみ上げます。地域からの期待や要請により、事業部制を取り入れハイスピードマネジメントを実行した結果、1都8県に162 施設353 事業を展開するまでに成長いたしました。これは職員が地域から信頼いただける真摯な仕事をしてきた結果でもあります。多くの職員に支えられたことを実感し、感謝の念に堪えません。
 聖隷福祉事業団は創立以来、幾多の困難と経営危機を乗り越え、日本を代表する社会福祉法人に発展しました。危機のたびに聖隷を支えてきたのは職員の力です。このコロナ禍の中でも、力を合わせてこの危機を乗り越え、聖隷の先駆的・開拓的精神と最高の専門性を追求する精神を引き継ぎつつ、新しい発想で事業が発展していくことを期待しています。
※1 WEB会議…遠隔拠点とインターネットを通じて映像・音声のやり取りや、資料の共有などを行うことができるコミュニケーションツール。
※2 IMPELLA(インペラ)…小型のポンプをカテーテルで左心室の中に入れることで、循環補助(動かなくなった心臓のかわりに全身に血液を送る)が可能となる新しいデバイス(機械)。
※3 サイバーナイフ…腫瘍の動きを自動的に追尾・検出し、細かい放射線のビームをピンポイント照射(定位照射)してがんの死滅を狙う装置。
※4 浜松ウエルネスプロジェクト… “市民の皆様が病気を未然に予防し、いつまでも健康で幸せに暮らすことができる都市(=予防・健幸都市)”を実現するため、2つの官民連携プラットフォームを核に様々な事業を行う。
※5 全世代型社会保障検討会議…政府が少子高齢化と同時にライフスタイルが多様となる中で、誰もが安心できる社会保障制度に関わる検討を行う会議。
※6 BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)…企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画。
※7 デジタル・トランスフォーメーション(DX)…データとデジタル技術を活用して、サービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務や、組織、プロセス、企業文化を変革し、競争上の優位性を確立すること。
※8 ICT/…Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。
※9 AI/…Artificial Intelligence(人工知能)の略。
※10 ディーセント・ワーク…SDGsの目標8に記載されている「働きがいのある人間らしい仕事」のこと。権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事とされている。中期事業計画2021-2025ではライフコースやワークライフバランスに配慮した「人生と両立できる働きがいのある仕事」と定義する。
※11 ダイバーシティ…多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。

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