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理事長 年頭所感


はじめに

 皆様健やかに新春をお迎えのことと存じます。 
 まずは、先の見えないコロナ禍においても、職員の皆さんが医療・福祉を最前線で支え、地域の暮らしを守っていただいていることに心より感謝申し上げます。延期されていたオリンピック・パラリンピックでは、選手個人の様々な状況や背景を抱えながら挑戦し続けている姿に深く感銘を受けました。我々にも様々な制限がある中でウイルスの変異による感染拡大に打ち勝つため、常に変化と挑戦が求められています。

 聖隷福祉事業団(以下聖隷)においても、各病院で新型コロナ患者を受け入れるために病床を確保し、地域の医療体制を支えてきました。宿泊療養施設への医師派遣や自宅療養患者の外来診察などを通し、聖隷の強みである質の高い医療提供ができました。
 また、ワクチン接種については、市民向けの接種会場を各病院(聖隷三方原病院、聖隷淡路病院、聖隷横浜病院、聖隷佐倉市民病院、聖隷袋井市民病院)に設置し、市町村や企業を中心とした接種会場へ医療従事者の派遣(聖隷浜松病院、浜松市リハビリテーション病院、聖隷健康診断センター、聖隷予防検診センター、地域・企業健診センター、聖隷健康サポートセンターShizuoka等)を通して力を入れました。2021年9月には、浜松市が全国20の政令指定都市の中でワクチン接種率No.1となったことなど、各地域のワクチン接種に大きく貢献しています。
 一方、コロナ禍で社会が変化する中、我々の事業も変化していくことが求められています。長期にわたる自粛で、人との関わりが薄くなり、地域で孤立し困っている方々に、ワクチン接種会場への送迎(浜松市内福祉事業)や、配食サービス「助け愛デリ」(逆瀬台デイサービスセンター)を行いました。コロナ禍における利用者のニーズを積極的に掴み、スピード感をもって実施しました。

 さて、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太方針2021)」※1によれば日本の未来を拓く4つの原動力として、グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策が挙げられています。新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界は大きく、急速なスピードで変化しています。時代に合わなくなった社会全体の仕組み・構造(企業組織・働き方・人材育成など)を、多様性と変化への柔軟な対応力を持ったものへと転換し、ポストコロナ※2に向けた動きを一気に加速する方向性が示されています。

 聖隷の事業も、社会の変化、複雑化したニーズに応えるため、スピード感をもって変化し、進化していかなければなりません。そのため、事業領域をはじめ、事業部制度や執行役員制度も見直していきます。2022年の年頭所感として私が取り組みたいことを以下にお伝えします。

社会福祉法人として最高の質・使命の追求と地域共生社会の実現をめざす

 聖隷の理念は「隣人愛」であり、利用者が助けを必要としている時に利用していただくサービスです。新型コロナに対しては患者のスムーズな入院対応や重症病床などの増床、ワクチン接種にも最大限の協力をしました。また、感染症対策を徹底し、高齢者や子供たちなどの日常生活を守ることもできました。まさに理念の実践を行い、地域を支える質の高いサービスの提供をしています。
 創立100周年である2030年に向かい、使命の追求を行い、最高の質を提供するためのあるべき姿を考える「聖隷みらい創造プロジェクト(仮称)」を始動します。また、高齢化や人口減少が進み、地域・家庭・職場で人と人との絆が弱まってきています。そのような中で地域の住民、NPO、企業などの多様な主体が参画し、地域とともに創っていく社会「地域共生社会」の実現を目指します。さらに、聖隷福祉事業団環境宣言にもあるように、環境に配慮した活動も積極的に行います。

聖隷DX(デジタル・トランスフォーメーション)※3をさらに推進する

高齢者公益事業部の見守りシステム
(デモ画面です)

 聖隷DXは、利用者や社会のニーズを基に業務や組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、新たなサービスを創造するという概念です。まずは、自職場での業務フローを見直すことから始まります。浜松市リハビリテーション病院における自動運転車椅子の実証実験や、在宅・福祉サービス事業部および高齢者公益事業部の見守りシステム導入が促進され、聖隷DXが進んできています。法人本部では、聖隷DXのあるべき姿を可視化し、ロードマップを作成するワークショップを開催しました。IT化やシステム導入にとどまらず、利用者の視点で必要な情報のデジタル化を目指し、状況にあったサービスを事業部横断的に提供する仕組みづくりを推進します。

大規模広域法人としての組織力を活かした機能を発揮する

DMATの活動

 2021年7月に発生した熱海市土砂災害に対して、①DMAT(災害派遣医療チーム)②JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)③DPAT(災害派遣精神医療チーム)④災害支援ナース⑤DWAT(災害派遣福祉チーム)の派遣を行いました。コロナ禍における活動にも関わらず迅速な対応ができたことを誇りに思っています。さらに、福祉施設などで新型コロナ患者が発生した際、医療機関の感染制御チームと協働し、感染防止対策を迅速に行い、大規模広域法人としての組織力を活かしました。
 また、2022年4月以降には保健事業部、聖隷淡路病院、聖隷横浜病院、聖隷佐倉市民病院、一般財団法人芙蓉協会、一般財団法人恵愛会で、事業部を超えた共通健診システムの新規導入を予定しており、人・場所・情報が統合され生産性が向上することが期待されています。2022年はその効果を検証し、聖隷DXにもつなげます。

人材の確保と育成を推進する

多様な仲間が活躍中(フィリピン出身職員)

 聖隷には、外国人や障がい者、子育て世代やシニア世代など多様な仲間がいます。高年齢化が進み、生産年齢人口が減少する中、今後も聖隷の事業は需要の拡大が見込まれています。そして、地域を支える質の高いサービスを提供し続けるためには、共に働く仲間を増やし、仲間を大切にし、長く働き続けられる組織であることこそが重要です。そのために、聖隷で働く多様な人材がやりがいを持ち、キャリアデザインを実現できる環境と仕組みを整えるとともに人材育成を強化します。

ディーセント・ワーク※4(人生と両立できる働きがいのある仕事)を推進する

もっと自分や家族との時間を

 「職員とその家族の健康を第一に考える」といった健康経営推進のため、健康支援を組織横断的に行う「健康推進室」を立ち上げました。また、2024年度からの医師の働き方改革を進めるためにもタスク・シフト/シェア(看護師による特定行為の実施や薬剤師による専門外来など)について、各専門職の職能を活かした取り組みを推進していきます。働き方改革をすすめ、自分や家族との時間が取れる充実した人生を送っていただきたいと思っています。そのため、職員視点での施策(働きやすさの向上など)を必ず実行します。

現有資源を有効に活用し経営環境の急変にも揺るがない財務体質とする

聖隷浜松病院S棟(2023年完成予定)

 未知の感染症や、診療報酬・介護報酬改定など、我々の事業を取り巻く経営環境は先が見通しにくくなっています。そのような中でも2022年度は静岡県立浜松学園の聖隷への移譲や聖隷浜松病院S棟耐震化増改築など、経営環境の変化に対応するため、必要な投資を行います。事業をより成長させるためにも、投資に対する評価を確実に行い、財務体質を強化します。

皆さん一人ひとりの行動が聖隷の未来を創ります

 聖隷は、「聖隷福祉事業団SDGs宣言」を掲げ、持続可能な社会・地域共生社会の実現に向けて取り組んでいます。SDGsの理念「誰ひとり取り残さない(No one will be left behind)」は聖隷の先人が行ってきた行動と同じです。聖隷の先人たちは制度も補助金もない中、困難を抱えている人たちの支えとなる取り組みをおこなってきました。困っている人がいれば助ける、誰もやらないが必要なことは最後までやり遂げる。地域における公益的な取組など、既成概念にとらわれず新たな価値を創造していきます。 
 私は、理事長就任時に仲間を大切にすることを公約しました。もちろん仲間とは職員のことです。私の家族が病気になり、途方に暮れた時期がありました。その時に多くの職員から支援をいただき、言葉に表せないほど感謝の気持ちでいっぱいになりました。聖隷の事業は人と人との結びつきが事業の根幹となっています。まずは、聖隷で働く仲間を大切にする。仲間を大切にするからこそ、利用者を大切にできます。職員一人ひとりが膠漆之心(こうしつのこころ)※5を大切に活躍することを期待しています。
※1 経済財政運営と改革の基本方針2021/ 2021年6月18日に閣議決定された、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針。
※2 ポストコロナ/コロナ禍の後のこと。
※3 デジタル・トランスフォーメーション(DX)/データとデジタル技術を活用して、サービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務や、組織、プロセス、企業文化を変革し、競争上の優位性を確立すること。
※4  ディーセント・ワーク/SDGsの目標8に記載されている「働きがいのある人間らしい仕事」のこと。権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事とされている。中期事業計画2021-2025ではライフコースやワークライフバランスに配慮した「人生と両立できる働きがいのある仕事」と定義している。
※5 膠漆之心(こうしつのこころ)/ 膠(にかわ)と漆(うるし)のように強く離れがたい固い絆の例えです。仲間との絆、経営陣と職員の絆すなわち相互理解を深めることを大切にしています。

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