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Inspire〜ここからはじまる〜

聖隷浜松病院 医療クラーク室 CQIサークル活動「ももいろ基本カード直そうZ」


CQI(※)サークル活動「ももいろ基本カード直そうZ」の取り組み

医療クラーク室は、医師がスムーズに診察できるよう診療補助や事務処理をしている。しかし診察後の事務処理(主に診療報酬を請求するための基本カードやコスト伝票の記入)に時間がかかり、待ち時間につながっていた。事務処理の時間短縮には記入書類の修正が必要と考え、関連する他部署と話し合いを重ねた。具体的には基本カードにコスト伝票を組み込み、手書きしていたコスト算定項目も印字するなどの改善を行い、事務処理の時間短縮や用紙削減、待ち時間短縮につなげた。

※CQI:Continuous Quality Improvementとは、継続的な質改善のこと

SDGsとの関連性

「ももいろ基本カード直そうZ」と関連するSDGsの目標は…

8.働きがいも経済成長も
12.つくる責任つかう責任

廣岡 真実 (ひろおか まみ)

聖隷浜松病院 医療クラーク室所属。
サブリーダーとしてメンバーのとりまとめや資料作成等、リーダーを強力バックアップ。

中村 由依 (なかむら ゆい)

聖隷浜松病院 医療クラーク室所属。
サークル内最年少ながらリーダーとして活動に取り組み、仲間の協力を得て他部署との交渉に注力した。

インタビュー

①この取り組みを行うきっかけは?

これまでは何枚も伝票が必要だったため、その分時間がかかっていました。

中村
私たちが所属する医療クラーク室は医師がスムーズに診察できるよう診療補助や事務処理をしているのですが、以前から待ち時間が長いと患者さんからのお声を多数いただいていたのがきっかけです。

廣岡
待ち時間が長くなっている一つの原因が診察後の事務処理でした。主な事務処理は診療報酬を請求するための基本カードとコスト伝票の記入です。コスト伝票は紹介状用、処置用など少なくとも10種類はあります。待ち時間の改善について話し合っていく中で、係長からアドバイスをもらい、一番記入時間がかかり、発生件数も多い紹介状用のコスト伝票を基本カードに組み込み、事務処理を効率化できないかと考えました。結果的に基本カードに印字された紹介状の算定項目にチェックをするだけでよくなり、診察後の待ち時間を短縮することができました。
また今回の取り組みを行ったことで、基本カードを修正できることを知り、今まで手書きしていた管理料の項目なども基本カードに印字し、更なる効率化を行いました。

②取り組んでいく中で苦労したことは?

紹介状のコスト伝票の処理に時間がかかる要因を分析し、検証内容を決めました。

中村
この取り組みを行うと決まってから医療クラーク室の5名でサークルを立ち上げました。基本カードは医療クラーク室以外に医療秘書課、外来医事課も使用しているため、変えたいからといってすぐに変えられるものでもありません。お互いにどのような業務をしているか詳しくは知らないため、まずはお互いの業務内容などを共有し相互理解することから始めました。話し合いがメインでしたが、解決策を導き出すのに大変な時間と労力を要しました。

中村
通常業務の中で時間を作って話し合いを進めていたので、極力短時間で終わるように事前準備を念入りにしました。例えば基本カードの修正案をワードなどでデザインし、話し合いがスムーズにいくよう工夫しました。自分たちも時間がない中での事前準備だったので大変でした。

廣岡
限られた時間の中で効率よく事前準備ができるように、メンバー内で役割分担をしました。医療秘書課や外来医事課の皆さんも取り組みにとても協力的だったのが印象的でした。

中村
聖隷浜松病院は40科以上の診療科があり、基本カードもレイアウトは統一されているものの、診療科によって表示される算定項目が違っています。そのため、すべての診療科の基本カードを見直すという地道な作業もありました。
また基本カードの印字内容を変更するには、情報システム室へ申請し変更作業をお願いしないといけません。文字数制限があったり、大幅に変えるには費用がかかったりなど色々と制約があり苦労しました。
そういったこともあり、検討から運用するまでに1年ほどかかりました。

③部署をまたいでのアプローチに際し、心掛けたことや大切だと思ったことは?

お互いの考え方を受け止めての率直な意見交換が功を奏した。

廣岡
話し合いの中で反対意見がでても、相手の考え方を受け止めるよう意識しました。自分たちの要望を一方的に伝えるのではなく、共感することで、お互いの考えを率直に伝えあうことができたと思います。こちらの提案に対し「これは難しいかも」という意見がでた時は、一旦持ち帰って練り直したり、その場で率直に議論した結果、いい方向に向かいました。

中村
こちらの提案が、直接的には他部署の業務負担軽減につながらないものもあり、言いにくいお願い事ばかりでした。そのため協力してもらった分、自分たちも他部署の負担軽減になるよう継続して業務改善を行い、恩返しをするようにしました。結果、win-winの関係になることができ、お互いに前向きに取り組めたのだと思います。

④取り組みを行って得られた効果や課題は?

より一層、医師がスムーズに診察できるように。

廣岡
紹介状用の伝票を別途作る必要がなくなり、基本カードへのチェックのみで料金算定ができるようになりました。そのため紹介状発生時のコスト算定にかかっていた時間が、1件あたり50秒から1秒に短縮されました。算定コストについても、今までは自分の知識をもとに必要に応じて手書きで追記する必要がありました。ですが、今は算定できるコストかどうかが基本カードを見れば一目瞭然になり、算定漏れ防止にもつながっています。使い始めは「慣れないから難しいかも」という声も聞かれましたが、今ではそのような声も減り、皆が使いやすい基本カードになったのではと思います。

中村
これまでは伝票が複数あることで、伝票を入れ間違えてしまうこともありましたが、今は基本カードだけになったのでそのようなミスもなくなりました。

中村
今回の業務効率化によって自分に余裕ができ、周りに目を向けられるようになりました。診察中の患者さんと医師の話を聞く中で、検査のオーダー漏れなどにも気付けるようになり、医師からも「今日は中村さんがいてくれて良かった」と声をかけてもらえて嬉しかったです。

⑤聖隷浜松病院を利用者・職員にとってさらに良い施設にしていくために、この取り組みをどう発展させていきたいですか。

この取り組みは一般企業が応募する「QCサークル静岡地区新春大会」の地区長賞にも選ばれました。

中村
外来の診察室は、1つの部屋につき医療クラーク室のスタッフは1人しかいません。患者さんをお待たせしないよう、1分1秒を惜しんで仕事をしています。今回の業務効率化により浮いた時間で、以前より患者さんとお話しする時間を持てるようになりました。次回の受診案内を丁寧にお伝えしたり、プラスアルファ、患者さんのお気持ちに寄り添う対応をしていきたいです。

中村
基本カード以外の紙伝票は一部残っていますし、自分たちが気付いていないところで効率化できる業務もあるかもしれません。これからも部署をまたいだ意見交換の場を大切にし、定期的に基本カードの見直しを行うことで、業務の効率化を進めていきたいです。

廣岡
私たちの今回の取り組み名は「ももいろ基本カード直そうZ」。医療クラーク室の制服が桃色なんです。明るく楽しく業務改善をしたいという想いから命名しました。これからも継続的に取り組んでいきたいと思います!

聖隷浜松病院 施設概要

所在地 〒430-8558
静岡県浜松市中区住吉2-12-12
電話番号 053-474-2222
FAX 053-471-6050
開設日 1962年3月5日
定員・定床数 750床
施設種別 医療施設
助産施設
ホームページ こちらをご覧ください
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