聖隷佐倉市民病院 腎臓内科部長

病気や身体の状態を診るだけでなく、
  患者さんの悩みや不安を理解すること。
            大切な診療の一部です。

1945年、腎疾患の治療を目的とした政策医療を担う病院として誕生した国立佐倉病院。2004年に聖隷福祉事業団へ経営移譲され、聖隷佐倉市民病院として新たに歩み始めた。腎疾患の名門としての取り組みを引き継いだ歴史ある同病院腎臓内科を率いるは、45歳の若き部長、藤井隆之だ。

i am「藤井 隆之」

人生の選択から20年、「医師」という職業の喜びを実感

千葉県の北部に位置する佐倉市は「西の長崎、東の佐倉」として江戸時代から西洋医学が盛んな都市だ。旧国立佐倉病院は早くから腎移植医療に積極的に取り組んでおり、経営移譲されるまでに生体腎移植131例 、献腎移植103例を実施、“腎疾患の名門”という地位を築き上げてきた。聖隷佐倉市民病院となった今では佐倉市のみならず、近隣エリアにもレベルの高い腎医療を提供できるまでの力をつけた。

そんな聖隷佐倉市民病院の腎臓内科を率いる藤井だが、医師免許を取得し就職した後も自身に医師としての資質があるのか分からなかった。しかし、医師として歩みはじめて20年以上経った現在、人と人との出会い、絆、そして少しでもその人の人生の手助けができたことへの喜びを実感。医師を志した当時の選択は間違いではなかったのだと確信するようになった。そして今もなお、医師として自分に何ができるのかを追求しているのである。

「患者さんの命尽きるまで」 覚悟を胸に治療の全段階をカバーする

医師となった藤井が最初に選んだ領域は神経内科。しかし、当時は「診断しても治療法がない」という厳しい現実と、総合的に内科を学びたいという希望から転科を決意。現在病院長を務める佐藤愼一医師(当時消化器内科部長)の下で消化器内科の道を進んだ。

消化器内科で経験を積んでいくうち、手術になると外科に頼らざるを得ない場面に何度も直面し歯がゆさを感じた。「診断、治療と一貫した取り組みをし、少しでも長く患者さんの治療過程に関わりたい」。藤井が自身の活躍の場に選んだ場所、それは“腎臓内科”だった。

腎臓は血液から老廃物を取り除き血液をきれいに保ったり、体内の水分量や塩分などを調節する重要な臓器だ。腎臓病が疑われる際、始めに尿検査と血液検査を行い、異常がある場合は腎生検(※1)で精密検査を行う。この時に診断される代表的な疾患が“糸球体(しきゅうたい)腎炎、特にIgA腎症”だ。中には治療経過中に腎臓の機能が低下してしまう人もいる。腎機能が正常の10%未満となった場合には人工透析(※2)導入を検討、シャント手術(※3)を行い、人工透析を導入した後は、維持透析としての管理・治療を継続していく。

伝統に裏付けされた、ガイドラインを鵜呑みにしない医療

聖隷佐倉市民病院には2つの特徴がある。1つは“長年蓄積されたデータベース”だ。国立佐倉病院時代より副院長の鈴木理志(さとし)医師は、あらゆる腎疾患の経過やデータを入力し、3,000例以上もの腎生検データを収集してきた。

病院の経営移譲の際に腎臓内科医が鈴木理志医師1名になったが、どんなに忙しくても紹介は断らなかった。2年目から加わった藤井は、一つひとつの事例に真摯に向き合い、少しでも多くの期待に応えられるよう、また鈴木理志医師の努力を途切れさせぬよう、診察『量』を着実に増やしていった。

現在、医療界には『○○という病気にはこの治療法が望ましい』といった様々なガイドラインが存在する。しかし、同病院の腎臓内科医はそれを鵜呑みにしない。「より良い方法は他にないか」病院独自のデータベースで検証をするのだ。「患者さんを目の前にしたとき、自分たちがしっかりと検証をしていれば自信を持ってフィードバックができるのです」。この検証の積み重ねは、医療の『質』を高めてきた。。

「これからやっていくことが正しいのか、そういった検証も過去を振り返ることで見えてくる」。今後も、唯一無二のデータベース作りという『伝統』は『量』と『質』を増して継承されていく。

部署、そして職種の垣根を越えた結束力

腎臓祭の様子

聖隷佐倉市民病院のもう1つの特徴は“働くスタッフの人柄”だ。経営移譲により医師数が減少した際、藤井を病院に繋ぎ止めたものは“仲間”だった。「佐藤愼一院長や鈴木理志副院長の人柄のおかげか、どの科も垣根がなく、色々と相談しやすい環境だった。この人たちとならどんなに辛い環境下でも一緒に仕事がしたい」そう思った。

また、総合病院にもかかわらず自身の声が全体に伝わる部分にも魅力を感じる。「例えば腎臓病の啓発イベントをやりたいと意見を出すと、看護師、薬剤師、管理栄養士、そして事務、あらゆる部署・職種が協力してくれるのです」。実際にこの意見は採用され2015年8月に腎臓祭(※4)を開催、大成功を収めている。

最善の医療を提供することで、千葉県の腎臓内科の発展につなげていく

実は千葉県には腎臓内科が多くない。そのなか数少ない腎臓内科医で診察していくにはかなりの労力を費やす。しかし前腎臓内科部長だった鈴木理志副院長は地道に誠実な医療を行い、最善の医療を提供するという精神で聖隷佐倉市民病院腎臓内科を築き上げてきた。その精神を受け継いだ藤井も「今よりも医療圏を広くして多くの方に最善の医療を提供していきたい」と決意している。それが佐倉市に限らず、千葉県全域から聖隷佐倉市民病院の腎臓内科に求められていることでもあるからだ。

また治療の質を高めていくために、高い技術を持っている医師がその技術を極め、個々の得意分野を確立していける環境づくりを進めていく。

患者の心に寄り添いベストを尽くす

藤井隆之・(右)鈴木理志副院長

腎臓病を患い悩みや病気に対して不安を抱えている患者は多く、それらの悩みや状態は多様化する。「医師である以上、『治る』ということが一番の喜びだが、そうではなくてもその人にとって一番いい方法で治療をします」。病状だけでなく、患者を取り巻く様々な環境を配慮しその時にベストな治療法で診療にあたっている。「例えば女性なら、人工透析になったら出産ができるのか?時間を取られ満足な育児ができないのではないか?などの悩みがありますが、共に改善策を考え最善のサポートができるよう信頼関係を築いています」。患者の心に寄り添い、悩みや不安を理解するのも大切な診療の一部だと藤井は常に意識している。

現在、聖隷佐倉市民病院の透析センターでは、人工透析用ベッドの増床準備を行っている。現在稼働しているベッド数は87床、今後は101床のベッドがフル稼働する予定だ。これは千葉県屈指の規模を誇る透析センターといっても過言ではない。

これからも「一人でも多くの患者に最善の治療を」という精神を貫き、藤井を筆頭とする聖隷佐倉市民病院 腎臓内科チームは、結束をさらに強め、多くの患者を支援していく。

(※1)腎疾患診断のために不可欠な検査。エコーガイド下に専用の穿刺針を用い、安全に組織を採取する。
    得られた組織は病理医が光学顕微鏡、電子顕微鏡、蛍光抗体法を駆使して入念に観察・診断し、
    腎専門医と合同討議のうえ治療方針を選択する。
(※2)機能が失われた腎臓に代わり人工的に血液を浄化する医療行為。
(※3)静脈に多くの血液が流れるよう動脈と静脈をつなぎ合せる手術。
(※4)幅広い年齢層で影響を与える腎臓のしくみや腎臓病の予防策について楽しく学んでもらいたいという思いから企画されたイベント。

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