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聖隷三方原病院は、地域医療支援病院として、質の高い地域完結型医療を目指しています。
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よくある質問(リプロダクション(不妊)センター)

よくある質問(リプロダクション(不妊)センター)についてのご紹介です。


このページの目次


Q.不妊症とは?

A. 1~2年間避妊せずに夫婦生活を営んでも妊娠が成立しない場合を言います。




Q.何才までに不妊専門病院を受診したら良いですか?

A. 女性の年令がとても重要で、35才を越えますと妊娠率の明らかな低下を認めますので、なるべく早期に不妊専門病院への受診をおすすめします。




Q.基礎体温表から何がわかりますか?

A. 基礎体温は排卵日やホルモン異常の予測に役立つ簡単な方法です。

これまで、最終低温日が排卵と考えられていましたが、超音波検査やホルモン検査により最終低温期の前後に排卵が起こることがわかってきました。そのため、正確に排卵日を予測するには、超音波検査による卵胞(卵子の入った袋)のモニターが必要となります。

また、高温期に入っていても排卵していない黄体化未破裂卵胞(LUF)という病気もあり、これらも不妊原因の一つとなります。タイミングが合っていても、ある程度の期間で妊娠がみられなければ、不妊専門病院に受診しましょう。



Q.精液検査を受けるにはどうすれば良いですか?

A. この検査は泌尿器科でもできますが、できれば不妊専門病院にご夫婦で受診され、精液検査を含む、いくつかの基本検査をチェックされるのが良いと思います。不妊原因にはいろいろありますが、不妊原因のおよそ40%が男性因子であることをご存じでしょうか。




Q.IVFコーディネーターからのアドバイス

A. 治療をお受けになる時には、全て医師にまかせるのではなく、ご自身が必ずどんな不妊原因があり、どんな薬を飲んでいるのかよく理解し、同じ治療を5周期程おこなって効果が得られない場合は、医師と相談し次の治療を考えていくことが、妊娠への近道です。




Q.ブラストシスト(胚盤胞)培養および移植について

A. これまで前核期から8細胞期胚まで(採卵後2~3日目に相当)の発育を維持する培養液が使われていました。ごく最近、さらに胚盤胞期まで(採卵後5~6日目に相当)の発育を維持する培養液が使えるようになってきました。
この培養方法の特徴は従来の初期胚移植(採卵後2~3日目に相当)にくらべ着床率が高いことにあります。

「その理由として」
1.胚盤胞で子宮内に戻すため(自然妊娠の時と同じ)子宮内膜が胚の着床に適している。
1.着床能力にすぐれた胚が自然淘汰されて胚盤胞まで発育する。
などがあげられています。

「長所としては」
1.胚盤胞の胚移植は妊娠率が向上する。従来の胚移植の妊娠率20~25%に対し30~60%と報告されています。
2.妊娠率が高いため移植数を減らすことができ多胎妊娠の防止につながる。

「短所としては」
1.胚盤胞まで発育できる胚の数は受精卵数のおよそ30~50%となるためこの方法では胚移植までいたらないことがある。
2.卵巣の反応が良くない方には不向きかもしれません。

「現在のところ当院ではこの培養の対象となる方を」
1.採卵数が5個以上ある方
2.従来の胚移植法が反復無効の方
と考えています。

なお胚移植は採卵後5~6日目に胚の発育状態をみておこないます。

最初のアメリカでの報告は卵巣の反応が良好の方に、多胎防止のために導入されました。確かに卵巣の反応が良好な方には、一つの治療方法になりえるかもしれませんが、体外受精をお受けになる全ての方に適した方法とは言い難いところがあります。また採卵当たりの着床率で従来の胚移植と比較すると、変わらないとの報告もあり、その位置付けについては今後も慎重に検討していく必要がありそうです。



Q.胚盤胞移植は妊娠率が高く、ベストな方法なのでしょうか?

A. 確かに従来の初期胚移植(採卵後2ないし3日目)に比べ、着床率はおよそ2倍に上昇しますが、その成績だけでこの治療法が最良だと判断するのは早計です。なぜなら採卵周期当りで妊娠率を比較すると初期胚移植した方とほぼ同じ成績となってしまうからです。どうしてそんなマジックみたいなことがおこるのでしょう。実は胚盤胞移植まで到達できない方が過半数いることを無視して、胚盤胞移植ができた方のみで妊娠率を出したために見かけ上高い妊娠率が望める治療方法となっているだけなのです。

それなら胚盤胞移植は長く培養して費用もかさむし、意味がないのかと言えば、必ずしもそうではありません。卵巣機能の大変良い若い方が多胎妊娠を防止するためには有効な手段の一つとなります。さらに初期胚移植の時に余剰の胚を胚盤胞まで培養し、良好胚盤胞に到達したらこれを凍結保存して新鮮胚移植がうまくいかなかった時のために備えることができます。

それでは具体的に「卵巣機能の大変良い若い方」についてご説明しましょう。条件を箇条書きしてみますと
1.年令は35歳未満
2.基礎卵胞刺激ホルモン値(FSH)が 10mIU/ml以下   
3.採卵数が10個以上   
4.採卵後3日目の8細胞期胚が3個以上
となるでしょう。

ただし、最近では胚盤胞移植の問題点がいくつか浮上していますので慎重に対応することが賢明です。一つは折角、双子を防ぐために1個の胚盤胞移植をしたのに一卵性の双子が高率(自然界のおよそ10倍)に発生することです。頻度でみますと胚盤胞移植の最大5%程度になります。医学的知識のない方は一卵性でも二卵性でも双子にそう変わりはないと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。一人の児を出産する単胎の場合と比べ双胎は児・母体ともに単胎より合併症がはるかに高くなります。しかも双子の中では二卵性より一卵性の方がはるかに危険な状態に陥りやすいのです。この多胎の問題については大変重要ですので是非別記をご参照ください。もう一つは培養時間が長いほど遺伝子への影響が心配されるという事実です。

さあどうでしょう。現時点ではなるべく慎重に胚盤胞移植をおこなうことが好ましいとは思いませんか。当センターでは、できるだけ初期胚で移植をします。しかし、初期胚で良好な胚移植を何回か繰り返した方や新鮮胚の移植で妊娠がみられず、余剰胚で凍結融解胚移植をおこなう方には慎重に胚盤胞まで培養して胚移植をおこなうようにしています。


Q.アシステッド・ハッチング(AHA)とは、どのような治療ですか?

A. ヒトの初期胚を子宮に移植した場合の出産までたどり着く頻度は、およそ10~20%と言われ、ほかの動物種に比べ極端に低いことが指摘されています。
折角、子宮内に胚移植できたのに、どうしてこのように低いのでしょう?

考えられる原因は大きくわけて3つあります。
1.胚の質の異常(染色体異常など)
2.子宮内膜の受け入れ体制の不備
3.透明帯からの胚の脱出障害
これらのうち、3つ目のことを専門用語では hatching failure とよびます。

そこでこの hatching failure を防止するために考案されたのがアシステッド・ハッチング(AHA)です。つまり、透明帯を薄くして、一部に切れ込みを入れなかの胚が出易くなるよう手助けする方法のことです。

アシステッド・ハッチング(AHA)の種類は
1.機械的処理法
2.化学的処理法
3.レーザー処理法
の3つがありますが、当センターでは2番目の方法を採用しています。

それではこの方法の適応と当センターでの治療成績についてお話します。

<適応>
1.透明帯が厚い
2.IVF反復無効例
3.37才以上
4.FSH ≧10mlU/ml
5.透明帯が硬い(融解胚など)

<治療成績>
・周期あたりの妊娠率:21.4%
・平均年令:36.1才(29~44才)
・平均採卵回数:6.2回
・37才以上の頻度:56%

このようにIVFが反復無効な場合や高齢婦人などで効果を認めることがありますので、当センターでは適応症例にアシステッド・ハッチング(AHA)を実施しています。


Q.単一胚移植 (SET)とはなんですか?

A. 北欧はARTにおける多胎防止の先進国です。これらの地域では1997年ごろから初期胚による単一胚移植(SET)を積極的に導入し、多胎妊娠を減らす努力が行われてきました。しかし、わが国を含む欧米の多施設では依然ARTの多胎率が高く多くの問題を残しています。そこで当センターでは北欧に習い、良好な胚がある場合は単一胚移植(SET)、すなわち1個の胚移植を2005年から実施してきました。この方法を導入する際の注意点は、これまで同様に高い妊娠率を維持しながら、多胎率をさげるために施設の質の向上を可能な限りはかることに尽きます。最近では少しずつこの方法が全国に広まり2007年には日本生殖医学会が「多胎妊娠防止のための移植胚数ガイドライン」を策定し、学会としても積極的に1個の胚移植を勧めています。



Q.今、ARTの問題点はなんですか?

A.大変重要なものが2つあると思います。

1.周産期合併症の増加
ARTによる妊娠の場合、周産期合併症が自然妊娠に比べ増加することです。これは単胎および多胎妊娠のいずれも自然妊娠と比べ指摘されていることですが、わが国ではまだほとんど注目されていません。その理由の主因はART治療がクリニック主体でおこなわれていて、妊娠が確認されると他の分娩施設へ紹介されるため妊娠および分娩管理まで一環した把握がなされないことによります。つまり、自分達の治療結果を正確に把握できないことが原因なのです。一方、当センターはART治療後の分娩施設として妊娠経過も一環して診察する機会が多く、周産期合併症の発生状況が手に取るようにわかります。

ある報告では自然妊娠の場合と比べ母体妊婦の妊娠高血圧症候群の発生が2.7倍、常位胎盤早期剥離が2.4倍、前置胎盤が6倍、帝王切開が2.3倍になるとも言われています。そしてこれらの周産期合併症は母児ともに危険な状態を引き起こしかねない病気だという点で極めて重要な問題なのです。

2.多胎妊娠の増加
脳性まひ(1歳時の1000人の生存児あたりで単胎児と比較)の頻度は双胎妊娠で単胎妊娠の4~6倍、3胎妊娠で18~20倍の高率に発生しているとの報告があります(表4)。さらに、妊娠10万人あたりの妊婦死亡が双子以上の多胎妊娠全体で単胎妊娠の場合と比べ約2倍に上昇するとも言われています。このように、脳性まひの他にも周産期合併症が多胎妊娠の場合には、単胎妊娠に比べ増加しますから、いかに多胎妊娠の防止に努めることが重要か理解できると思います。つまり患者さん自らが率先して多胎を避ける姿勢を持ってほしいのです。一部の医療サイドからは「双子が増加するのは患者さんからの強い要望でしかたがありません。」との声を聞くことがありますが、これまでの話を聞いていただいたら、このような要望がいかに無謀なことかおわかりいただけたと思います。

表4 脳性まひの発生(1歳時の1000人の生存児あたり)


単胎妊娠2.3人
双胎妊娠9~12人
3退妊娠45人

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