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2019年度

2020年2月

「共育」

吐く息も白く、暦の上では立春を迎えますが、まだまだ寒い日が続きそうです。園庭の河津桜が咲き始めたり、子ども達が植えたプランターのチューリップが小さな芽をのぞかせたりと春は近づいている、命は確実に育っていると感じます。
さて、保護者の皆さまは『共育』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?共育とは「きょういく」もしくは「ともいく」と読む造語で、その意味は地域の人や企業など様々な立場の人達が連携して教育を行うことです。教える側(親など)と教えを受ける側(子ども)が、共に学び成長していくという意味もあります。
今年度、ひかりの子では、それぞれの職員が保育の具体的な事例を持ち寄り、毎月の園内研修で事例検討会を行っています。その中で若手職員はベテラン職員から保育のポイントやノウハウを学ぶことができます。また、普段は会話の少ない職員ともじっくりと話すことで日常的にも声をかけやすくなり、コミュニケーションにも繋がっているようです。ベテラン職員からは「話を聞き、伝えることで改めて自分の保育を振り返った」、「教えるために自分も勉強をしたことで知識を深められた」という声も聞かれました。まさに共に育つ『共育』です。
この『共育』は子育てにおいても同様ではないでしょうか。文部科学省でも家庭の教育力向上に必要な視点として、親と子どもの主体的な「育ち合い」(共育)を推奨しているようです。ご家庭で少し意識するだけでも親子の成長に繋がるのではないでしょうか。最近読んだある雑誌から、ご家庭での共育のポイントをご紹介します。参考にしてください。
①子どもの疑問に一緒に取り組む…おとなだって分からないことはたくさんあります。子どもと同じ目線に立ち共に学び疑問に一緒に取り組む。②親が指導者にならない…指導する観点ではなく、子どもの立場や行動の理由を考えて注意する。ただし、危険なことに対しては速やかに止めて危険であることを伝える。③身近な人への挨拶を親が率先して行う…子どもの「生きた教科書」はお父さん、お母さんです。おとなが挨拶していれば子どもはおのずと挨拶ができる子に育ちます。④家族だけで子育てしようとしない…親や身内といった家族だけでの子育ては、価値観も近く楽ですが、他人と交流しないことで視野がせまくなりがちになり、厳しすぎる躾や甘やかし、過干渉に繋がりやすくなります。⑤喜び・悲しみ・痛みを親子で共有する…例えば、子どもさんが転んだとき「大丈夫。もう泣かないの」と言うよりは「痛かったね」と言うことで子どもは「自分のことを分かってくれている」と感じ、信頼関係が強固されます。この信頼関係が子どもの人格形成にはとても重要です。
ひかりの子の園聖句〝ひかりの子として歩みなさい〟は、この園に集うすべての人、子どももおとなも、みんな神様の子どもです。神様から大切にされている子どもとして、温かな明るい光として、希望をもって歩みなさい。成長していきなさい、ということを私たちに示しています。共育・育ち合いは子どももおとな(親御さん、職員)も共通してひかりの子では大切にしていきたいと改めて思います。

園長 鈴木勝子

2020年3月

「一年の振り返り」

連日、新型コロナウイルスに関するニュースが流れ、ひかりの子でも二月末の卒園遠足には、例年公共交通機関を使って、名古屋港水族館に出かけていましたが、今年度は往復貸し切りバスで浜名湖体験学習施設ウォットと浜名湖ガーデンパークに急遽、行先を変更いたしました。そら組の子どもたちは一月中旬より魚や海の生き物について興味や関心を持ち、図鑑やネットで調べて友達と教えあう姿もありました。九月に行ったおさかな教室で得た知識もあり、数名の子は‘おさかな博士’となっていました。「何とか水族館に行きたい!」と職員で行先を検討しました。当日は乗車する前に大型バス内を消毒させてもらい、万全の態勢を整え出発しました。規模はかなり小さくなりましたが‘おさかな博士’を中心にスタンプラリーのクイズを楽しみました。ガーデンパークでものんびりと過ごし、大好きな友達や先生と楽しい思い出作りができました。当日まで二転三転してそら組保護者の皆様にはご心配とご迷惑をおかけいたしました。全国的にまだまだ予断を許さない状態が続きそうです。引き続き感染拡大防止にご理解ご協力をお願いいたします。
さて、『三寒四温』の言葉通り、暖かな日と寒さの厳しい日を繰り返し、年度の締めくくりの三月を迎えました。各クラス今年度最後のクラス懇談会を終え、保護者の皆さまと共に一年間を振り返り、子どもさんの成長を共有し喜び合うことができました。成長と一口に言っても、それぞれの速度も異なり、見えるところ見えないところ様々です。
私たちおとなの成長はどうでしょうか。生涯学習という言葉もあるように人間は一生涯かけて学び、成長し続ける生き物だと言われます。確かにおとなになって仕事を通して、子育てを通して、家庭生活を通して、地域活動を通して、その他様々なおかれている状況の中で多くの事を経験し学んでいます。成功体験や失敗体験を繰り返し、その時の自分を振り返ることで「次はこうしてみよう!」と考え、実行するのが成長するためのプロセスだと思います。これはおとなも子どもも同じです。おとなも子どもも成功、失敗の両方があって成長できるのだと思います。
三月の年度の節目に子どもさんの成長を振り返ると同時に、親○年目のご自分自身を振り返ってみるのも、おとなが成長する一つの方法かもしれませんね。振り返える中で「なかなかいいねぇ。頑張ってるじゃん!」と子どもさんの事もご自分の事も褒めてあげて下さい。そうすることがまた、自信となって次への成長に繋がります。これもおとなも子どもも同じかもしれませんね。特に幼児期においては「もっとこうしなさい。もっと頑張れ!」と競争的に急かすのではなく、良いところを肯定的に褒める方が子どもの承認されたい気持ちが満たされ、「また、がんばるぞ!」という意欲に繋がります。私たちの目の前にいる子どもたちは、木に例えるなら根っこの部分を育てています。目には見えない部分ですが太く長く根を下ろすからこそ、丈夫な幹や美しい花、沢山の実をつけることができます。今必要な栄養素を見極めて惜しみなく与えるのが私たちおとなの役割だと思います。
こども園でも今月末には保護者の皆さまのご協力をいただきながら、数日をかけて保育者個人の保育、クラスの保育、園全体の保育の振り返りを行います。教育保育を進める中でこの振り返りの時を大切にしたいと考えます。そして次年度もより質の高い、よりよい教育保育へと繋げていきます。

園長 鈴木 勝子