2月の聖句

「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。」
マタイによる福音書10章12節　　　　　　　　　　　　　　　　　　
日本キリスト教団遠州栄光教会　　
牧師　星野　健
「平和があるように」という挨拶は、今でもユダヤ人の方たちが「シャローム」という言葉で、アラブ系の方たちが「サラーム」という言葉で交わす挨拶と重なりますけれども、上の聖書の言葉では、イエス・キリストという方によってこの世界にもたらされる神の国の平和を表します。
　日本語の「平和」は、争いがないとか緊張関係がない穏やかな状態を表しますけれども、シャロームは、より積極的な神の祝福が欠けるところなく満たされる現実です。それは何不自由のないこの世の幸せとは違いますけれど、もう何かを獲得するためではなく、自分が何者かであることを証明するためでもなく、神様からすべてをただで受けて、わたしもただで与える自由な命の祝福です。本当にもうわたしたちから何も求めずに、わたしたちの神に対する罪をすべて背負われる十字架の死のなかから甦られたキリストが、その神の国の満ち溢れる平和の恵みへ招いてくださいます。