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ホーム  > 園長コラム  > 「幼児保育・教育の無償化」で日本の未来は?

「幼児保育・教育の無償化」で日本の未来は?

最近「幼児教育の無償化」が言われるようになり具体化されつつあります。この幼児教育の無償化の背景には、乳幼児時代の育ち(教育)の大切さが実証されたことがあります。
8月の園だより「認知能力と非認知能力」でも触れましたのでご存知かもしれませんが、アメリカのペリーの就学前教育がそのひとつです。(詳細については8月号をご覧ください。こども園めぐみのHP園長コラムでも読むことができます。)
その結果、幼児期にきちんとした保育教育を行うことは経済的にも効果があることをアメリカの経済学者でノーベル受賞者のジェームス・J・ヘックマンが『幼児教育の経済学』で明らかにされました。
しかし幼児教育の無償化については、保育現場では喜べない状況にあります。この教育プロジェクトは保育教育の質が保障されてのことです。現状のままで無償化するについては、保育の質はどこまで保障されるのでしょうか?
待機児童解消のための、小規模保育園、認証保育園などはここ数年、多く新設されていますが、認可保育園・認定こども園と比べて基準を低くして行われているところもあります。また日本の認可園においても現状の基準は、先進国と比べたら程遠い数字です。
また、2015年からの法の改正により「子ども子育て新制度」が施行されました。ご存知のように、保育・教育が必要な子どもに対して認定を行い、1号認定、2号認定、3号認定と分け、2.3号認定の子どもについては保護者の就労等に合わせて保育時間が「標準時間」「短時間」と分けました。そこでの「標準時間」は11時間です。延長保育時間を含めるとこども園めぐみでは12時間です。こども園めぐみでは殆どがこの「標準時間」認定です。これは就労している保護者にとってはありがたいことかもしれませんが、そこで生活する子どもにとってはどうなのかしら?と常々疑問に思っております。(すべてのこどもが11時間の保育をしているわけではありませんが・・)
今から20年以上前に少子化対策として「就労と子育ての両立支援」を親の働き方よりも、まず延長保育などの、親側の支援を重点的に行い少子化を食い止めようとしましたが、日本の少子化はとまりませんでした。(今は、日本の人口減少が深刻化されてきています)
そして今やっと「働き方改革」が言われ始めました。就労し、子育てしている親にとって必要なことは、まず働き方を変えなくては親としてのきちんとした子育てができないことは最初から解っていたことなのですが・・・。
「標準保育時間認定」だから11時間の保育は、保護者支援からのものです。こどもの保育教育については果たして本当にこれで良いのかと思います。また現状の保育士定数も入園児童に対しての定数です。しかし保育士の勤務時間は11時間ではありませんので、どうしても時間帯によっては保育の質が損なわれることも否めません。(現状の中でできる限りの体制は組んでいます)
 こども園めぐみは、こどもたちの保育教育の専門集団として保育の質の向上を目指しております。同時に保護者の方々の就労支援も行っていくことには今までとおり変わりはありません。日本の将来を考えたなら、幼児教育の無償化と併せて、こどもの育ちから保育の質の保障も考えていかなければならないと思っています。