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巣立ちの時を前に

園長 冨永 裕美
吹く風が少しずつ暖かくなり、春の訪れを感じる頃となりました。早いもので、今年度も残りひと月となりました。今年1年を振り返ると新型コロナウイルス感染症の見えない脅威に不安を感じながらの毎日だったようにも思います。そのような中でも日々元気に登園してくる子どもたちの笑顔に出会いながら、園としてできることを続けていき、子どもたちにとって今この時を大切にしていく保育の営みを続けていきたいと思っています。行事の中止や縮小などもありましたが、保護者の皆様にご理解・ご協力をいただけたことに心より感謝いたします。
改めてこの1年を振り返ってみますと、園の生活の中で、子どもたちは日々様々な経験をし、成長してきたことを感じます。聖隷こども園めぐみの教育・保育の目標に一つは「愛されて愛する心を知り、お互いが大切な存在である事を知る」です。子どもたちが、周囲の大人から愛され受け入れられ、認められていることを実感しながら過ごす中で、自分がかけがえのない存在であることを感じ、自己肯定感を育んでいくことができるように、保育者として子どもたちとの関りを大切に考えています。そして安心できる関係の中で、子どもたちは少しずつ周囲にも目を向け、友だちの存在を意識し、お互いが大切な存在であることを感じていけるようにと願っています。そして、自分の気持ちを相手に伝えたり、相手の気持ちを受け止めたりすることにつなげていきたいと思っています。こうした育ちは生涯にわたって重要な、人と関わりながら生きていくための基盤となるからです。先日くじら組の卒園面談の中であるお母さまから「こんなうれしいことがあったんです」とお話ししてくださったことを少し紹介したいと思います。子どもさんの送迎の際、ぺんぎん組のお子さんの保護者さまから「○○君のお母さんですか?」と声をかけられ、その方のお子さんが「○○お兄ちゃんが大好きなんです。」といつも優しく接してもらっていることを伝えてもらったそうです。このお話を伺いながら、こちらまで心が温まる思いになりました。今年は例年に比べ異年齢の交わりが持ちにくい場面も増えていましたが、子どもたちの中にお互いが大切な存在という心が育っていることを感じうれしく思いました。
1年の締めくくりの3月、子どもたちの心の育ちをしっかりと見極め、保護者の皆さんにお伝えしながら成長を共に喜び合っていきたいと思います。
先日年長クラスの子どもたちは大型バスに乗って卒園遠足に出かけてきました。動物園を散策し、フラワーパークでお弁当をいただき、広大な芝生広場を走り回ったり、登れる木を見つけ「秘密基地だね」とイメージを共有しながら楽しい時間を過ごしました。いよいよ帰る時間になると、「楽しかったね」「またみんなで来たいね」「絶対一緒に来ようね」と会話をはずませる子どもたちでした。もうすぐ卒園しそれぞれの小学校へと進んでいく子どもたちですが、こども園めぐみで一緒に過ごした日々の中で子どもたちのきずなは深まっていることを感じました。
年長クラスくじら組では、卒園の準備が少しずつはじまり、それぞれの子どもたちが新しい一歩を踏み出そうとしています。子どもたちの心の中には期待と不安とが入り混じっていることと思いますが、「♪ ずっと ずっと いっしょに あったかく つきあってたいね ね ね ♪」と聴こえてくる優しい歌声、そしてしっかりと前を見つめる眼差しに子どもたちの未来に明るい希望を感じます。巣立ちの時を迎え、新しい世界に飛び出していくその一歩を、自信をもって歩み出すことができるようご家族の皆さんと一緒に私たちも支えていきたいと思います。
最後になりましたが保護者の皆様には一年間、園の運営にご理解とご協力を頂きましたことを心から感謝申し上げます。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。