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こども主体の豊かな体験を大切に

園長  冨永 裕美
あじさいの花が、綺麗に色づき始めました。例年に比べずいぶん早い梅雨入りとなりましたね。園では乳児クラスを中心に感染性胃腸炎、RSウイルス感染症が流行してしまい体調を崩してお休みする子どもたちが多く心配しています。少しずつ回復傾向にありますが、引き続き子どもたちの体調の変化に注意していきたいと思います。一方で新型コロナウイルス感染拡大の脅威も常に感じながらの毎日です。手洗い・消毒の徹底、園内清掃の強化等感染予防に努めていきたいと思います。そして、園生活の様々な場面の見直しや行事の見直し等をしていく中で、子どもたちの安全・安心を守りながら、同時に子どもたちに何を経験させ、子どもたちの育ちをどのように保証していくのかを考え、日々の生活や行事の開催等につきましてもその都度検討を行ってまいります。保護者の皆様にも感染対策に伴い、いろいろな面でご理解・ご協力をいただきありがとうございます。
さて、新しいクラスでの生活も2ヶ月が過ぎ、子どもたちは毎日、室内や戸外での遊びを楽しんでいます。晴れた日には少しでも戸外で過ごそうと「行ってきまーす」と元気な声が玄関から次々と聞こえてきます。0歳児クラスの子どもたちも保育者に抱っこされ、園の周囲をお散歩に出かけていきます。保育者に安心して身を委ねる姿はとても微笑ましいものです。
先日園庭で遊ぶ幼児クラスの子どもたちを見に行くとあちらこちらから「園長先生、見てみて」と声がかかりました。その中で、年長クラスの子どもたちを中心に長縄跳びの順番を待つ列ができていました。「私ね100回跳べたよ」「私も跳べるの、見ててね」と挑戦する子どもたち。リズムよく跳べるようになってくると本当に何十回も跳び続けていて、「1.2.3.4..」と数えながら保育者も根気よく縄を回し続けています。大人目線では待っている子どもたちもいると思うと「○○回跳んだら交替ね」と言ってしまいそうですが、子どもの挑戦したい気持ちにしっかりと向き合うことも大切ですね。まだ数回で引っかかってしまう子もいますが、何度も挑戦していました。そして順番待ちの間も友達を応援したり、その場で友達とのおしゃべりを楽しんだりしていました。興味を持ったことに夢中になって取り組んだり、出来るようになりたいと失敗しながらも何度も挑戦する、こうした子どもが主体的に行う経験を大切にしていきたいと考えています。
子どもたちの興味関心は一人ひとり様々です。年齢や発達によっても違ってきますが、自分の好きなことを見つけ集中してじっくり遊ぶ中で、「やってみたい」「これは何だろう」という気持ちが生まれてきます。そして、心が動かされた事や現象に対して子どもは見たり、触れたり、試したり具体的な体験を通して物事の理解を深めていきます。小さな赤ちゃんでも興味を持ったものに手を伸ばしたり、ハイハイで近づいて行ったりするのも同じですね。毎日繰り広げられている子どもたちの世界を尊重しながら、そこに関わる大人が子どもの思いを受け止め、丁寧に応答していく事が、学びの基礎となり、子どもの生きる力を育てていくことにつながっていくと考えています。考えたり、試したり、周囲と話し合ったりするプロセスを大切にしていきたいと思います。保育者は子どもたちの学びを支える環境を整え、遊びを見守りながら、子どもたちの心が動いた場面を捉えて共感していきたいと思っています。「見てみて」と子どもたちの心が思わず動き出すようなワクワクした毎日をすごしていきたいですね。