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花育 ~五感で感じながら~

立春を迎えます。芽吹く木の芽や花の芽に春の訪れを感じます。
先日、年長児クラスが“寄せ植え”を行いました。グループごとに協力し合って、ひとつの鉢に5~6種類の花の苗を植えこみました。お花の大好きな年長のクラス担任が“花育”の研修に積極的に参加し、保育実践の中で子どもたちと“寄せ植え”を準備段階からグループ活動として行いました。
“花育”は農林水産省の下、全国花育活動推進協議会が設けられ全国の子どもたちが花に触れ自然を感じ取り、色々な体験をした上で育ってもらいたいという願いから生まれたものです。花育の目的としては、花による季節を感じ、色や香りから視覚や嗅覚を養い、花という生命を感じ命の大切さや存在する意味を学び、そして喜びや感動を子どもたちに伝えていきたいということにあります。また、豊かな心を育てることもこの花育の目的です。
今回、“寄せ植え”の準備段階で、まず苗の種類を決めました。保育士主導ではなく、子どもたちが主体的に取り組めるように進めてきました。そして、“寄せ植え”を4つの視点で捉えました。それは「香りのあるもの」「色合いの美しいもの」「実のなるもの」そして「球根の花」この4つです。写真を見ながら、子どもたちは「香りのあるもの」はタイムとラベンダーを選び、「色合いの美しいもの」はビオラとパンジーとノースポール、「実のなるもの」は苺、「球根の花」ではグラジオラスを選びました。さらにグループで相談して「香りのあるもの」と「色合いの美しいもの」はグループごとに1~2種類を選び、花の色もグループで決めました。その様子を見ていると、紙を使って花の苗の名前を書きあげたり、色のバランスを見たりと選んで購入するまでにも時間をかけて行いました。保育者の投げかけに子どもたちは、クラス全体であるいはグループで納得いくまで、十分に話し合いました。保育者は見守り、子どもたちの考え合う時間を十分に取り、グループで意思決定をしていきました。
迎えた当日、静岡県グリーンバンクからいらした花育講師の見守る中で“寄せ植え”の作業。とてもきれいに仕上がりました。寒い日になってしまいましたが、最後まで子どもたち自身の力でやり遂げました。花の香りを楽しんだり、そっと触れてみたり、割りばしを使って隙間がないように土入れを行いました。講師の方は「これほど集中して話を聞き、友だちと相談しながら、真剣に取り組む子どもたちの姿に感動しました。」と話され、子どもたちに向けて「お花を植えたら植えっぱなしでは、お花は枯れてしまいます。お花は生きています。お水をあげたり、枯れた花を摘み取ったりとお世話をしてあげてくださいね。」とメッセージをくださいました。
花にはいのちがあり、人の心を和ませてくれる力があります。五感で感じながら、花を愛しむ心を育て、喜びや感動を持って生活できるようにと願います。グループ活動は、友だちとのことばと心のコミュニケーションが必要です。子どもの成長過程に意味がある活動だと考えています。担任は、この花を卒園式の玄関に飾りたいという想いを持っています。そして、芽を出し始めたチューリップの花は、卒園証書をもらう時の花道にと考えて、大切に育てています。願いが叶いますように。

園長 永島 弘美