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お泊り保育でのできごと

外では、水しぶきをあびて、子どもたちから大歓声があがっています。大切な水を子どもたちの水遊びに使わせていただき、子どもたちの新たな成長が見られます。心から神様に感謝したいと思います。
夏休みの学童保育が始まりました。久しぶりに会う卒園児の成長した姿に職員も喜んでいます。絵本の読み聞かせや寝かしつけまでやってくれるんですよ。本当に頼れる存在です。また、サマ―ショートボランティアの中学や高校の生徒さんも保育園で子どもたちのお世話をしてくれています。関わり合うことで通常とは違った、豊かな関係が生まれます。保護者の皆様もどうぞご理解の程、よろしくお願いいたします。
さて、年長組は“ならここの里”でのお泊り保育を経験しました。参加の仕方はそれぞれでしたが、子ども同士の結びつきは今まで以上に強くなったように思います。天気にも恵まれ、川あそびも存分にでき、手作りのいかだやターザンロープで盛り上がりました。もっぱら、カニやオタマジャクシそしてカエルなどの生き物探しに夢中の子もいました。その中で、印象に残ったのは、あまごのつかみ獲りでした。あまごを捕まえて、その場で塩焼きにしていただくというものです。川の流れをせきとめて、浅瀬を作り、そこに放たれたあまごを子どもたちと一緒に捕まえます。これがなかなか難しく、子どもたちには無理だろうと思われがちなのですが、コツがあるようで、上手な子は数分で1匹2匹とあっという間に捕まえてしまいます。タライに入ったあまごをそっと触っている子もいました。賑やかな楽しい時間でした。そのあと、“ならここの里”の方が「串に刺すのをやりたい子おいで!」と誘ってくださいました。ほとんどの子が順番に並び、串に刺すのも興味津々の子どもたちでした。そんな時、A子が思わず口にした「かわいそう」のことば。目の前で生きていた魚たちですから、「かわいそう」のことばを口にしたA子の気持ちは、よく分かります。このことばに“ならここの里”の方は「そうだね。お魚さんのいのちをいただくんだよ。美味しく残さず食べようね。」と返してくださいました。そのことばにA子は頷いていました。
私たちは、お祈りをして、感謝の気持ちをもって、食事をいただく毎日ですが、いのちをいただいているということを意識して毎日の食事をいただくことは少ないように思います。あらためて、いのちをいただいていることへの感謝の思いを持って、子どもたちと一緒に残さず、美味しくいただきました。そして、残った魚の骨はどうするかというと、なんと、池の鯉がすべてきれいに食べてくれるのです。鯉は、雑食性なので、水草、貝類、昆虫類、甲殻類、カエル、他の魚の卵や小魚など、口に入るものならたいてい何でも食べるようです。口に歯はなく、のどに咽頭歯という歯があり、これで硬い貝殻なども砕き割って飲み込んでしまうのです。まるまる1匹の骨を丸ごと食べてしまう姿には驚きました。捨てるところは、何もありませんでした。
食事は私たちのいのちを育んでくれるものです。『いのちをいただくんだよ。』のことばが心に残ったお泊り保育でした。今、畑で育てているさつま芋や南瓜もつるを伸ばして大きく成長しています。5月に子どもたちと職員で行った田植え。苗は、ぐんぐん成長しています。お米の収穫が楽しみです。
迎えた8月は、『平和』をテーマに子どもたちと一緒に考えてみたいと思います。


園長 永島 弘美