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ホーム  > 園長コラム  > リスク回避のために ~周りの大人の丁寧な見守りを~

リスク回避のために ~周りの大人の丁寧な見守りを~

水遊びが始まり、開放感あふれる夏。一方で、記録的な猛暑といわれる状況下で、熱中症で病院に運ばれたり、重症化するケースもあります。危機管理意識が問われるところです。保育園では、以前より危機管理委員会を設置し、定期的に委員会を開き、問題点を出し合い、その対策を検討しています。そして、ヒヤリ・ハットとして明文化し、事故にまで至らないケースでも危険性があると判断したものは、リスクを回避するために『何をどうする必要があるか。何ができるか。』を議論し、職員会議にて報告します。「もしかしたら」と事故や怪我につながる可能性が感じられれば、その内容を職員で検討して解決策を考えていきます。そして、職員全体に周知事項を徹底し、必要があれば、園の環境を整える等の対処をしています。
先日は、火災の時に対処する方法ということで、消防署から指導に来ていただいて、幼児クラス(3歳以上児)の子どもたちが『火災に遭遇した場合、自分でどう対処すればいいかを知ることで、被害を最小限に抑え、自分で自分の身を守ることができる。』というアメリカ式の子ども向けのプログラムを学びました。日本の場合、火災を起こさないための教育は行うが、火災に遭遇した時の教育プログラムは例がないと説明を受けました。

7月は、年長組のお泊り保育が行われました。期待感あふれる子どもたちの姿も感じられた一方で、何人かの保護者の方から、熱中症が心配だという内容のおたよりをいただきました。愛知県の豊田市で起こった死亡事故は本当に悲しい事故でした。お泊り保育の前日、身の引き締まるおもいで、再度、活動内容や時間配分を綿密に打ち合わせました。迎えたお泊り保育の当日は、気温や室温管理そして、水分や塩分補給はもちろん、子どもの体調管理や表情など細かな配慮をして過ごしました。1日目は川遊びやあまごつかみそして、仲間と協力し、食事も作りました。2日目の朝の山登りは、気温が高く、目標地点までは登らず、途中までと判断しました。その時々の状況判断も重要になってきます。そして、全員で参加することができ、無事に終えることができましたこと本当に感謝です。楽しい思い出もたくさんでき、自信がついた子どもたちです。

重症化するとこわい熱中症ですが、実は子どもの熱中症が重症化するケースはほとんどないようです。なぜかというと、子どもは体質上、熱中症になりやすく、高温の環境にいるときには重症化もしやすいと言われていますが、保護者や大人が子どもを見守っているので、早期の段階で発見されることが多く、その段階での対処をきちんとしているため、重症化につながるケースが少ないようです。
しかし、逆に、周りの大人が注意深く、子どもを見守っている必要があるということになります。例えば、子どもは夢中になってあそんでいれば、水分補給も忘れがちになるので、園では、全体で水分補給の時間を確保しています。幼児クラスは、水筒の麦茶がなくなれば、園で作った麦茶を足しています。周りの大人が気にかけて、しっかりと子どもを見守っている必要があるのです。保護者の皆様も気にかかることがありましたら、遠慮せずに、職員までお伝えいただけると心強いです。
まだまだ、暑い日が続くようです。園側でも細心の注意をはらい、リスクを回避できるように努力いたします。ご家庭でも十分に留意してお過ごしください。ご協力をどうぞよろしくお願い致します。

園長 永島弘美