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ホーム  > 園長コラム  > 「お母さんのどこが好き?」

「お母さんのどこが好き?」

6月を迎えました。雨期に入ると、何となくうっとうしさを感じてしまうものですが、子どもたちは目を輝かせて、雨音に耳を傾けたり、無邪気に雨上がりの水たまりを楽しむ姿がみられます。神様が与えてくださる雨の恵みに感謝することを忘れずに、過ごしたいと思います。

今回は3歳児クラスの心動かされた出来事を子どもの姿を通して紹介します。
先日、3歳児クラスで飼育していたカマキリの卵が孵化し、100匹以上のカマキリの赤ちゃんが生まれました。「何食べるんだろうね?」の保育士のことばを聞いて、Mくんは部屋からすぐに図鑑を持って来て、カマキリの食べ物が書いてあるページを見せてくれました。カマキリの卵の飼育を始めた時から、赤ちゃんが生まれるのを心待ちにしていたのでしょうか。さらに、アゲハ蝶の蛹(さなぎ)も羽化し、見事な蝶に生まれ変わりました。こんな生命の神秘から子どもたちの興味関心を広げられるように環境を整え、保育教育につなげていくことの大切さを感じました。自然の中には、たくさんの発見があり、不思議がいっぱいです。興味関心からたくさんの学びが生まれているのです。
それから、3歳児クラスでお母さんへのプレゼントを作った時のこと。「お母さんのどこが好き?」の保育士の質問に対して、子どもたちからは「お料理してくれるところ」「笑った顔が好き」と色々なメッセージが聞かれました。その中で「お母さんの足が好き」「お母さんの肩が好き」と応えた子どもがいたのです。その理由がわかりますか? 担任に教えてもらいました。「お母さんの足が好き」は園への送迎時にちょっと離れがたい気持ちの時、母親の足にしがみついている姿を見かけます。実はその時に感じている子どもの気持ちが「お母さんの足が好き」に表れているのです。「お母さんの肩が好き」はおんぶされた時の「お母さんの肩が好き」なのです。本当に愛くるしい子どもたちの気持ちが伝わってきます。子どものことばの表現の内側にある気持ちや想いが子どもの姿と一緒に目の前に浮かび上がります。
私は、ある牧師からのメッセージを思い出しました。『愛された記憶』と題して綴られています。
愛された記憶
誰かから深く愛された記憶は、決して消えることがありません。
普段は忘れていても、本当に苦しいときには蘇ってきて、私たちを優しく包み込み、励ましてくれるのです。
愛は、決して死ぬことがありません。愛は、いつまでも生き続けます。
『愛された記憶』は子どもの心に色々な情景や関わりと一緒に残されていきます。そんなひとりひとりの子どもの気持ちや思いを受け止められていますか?『愛された記憶』は、子どもの内なる力として生き続けるのです。保護者の皆様の心の中にはどんな記憶がありますか。

園長 永島弘美