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ホーム  > 園長コラム  > 子どもの心に寄り添って ~自分って何だろう~

子どもの心に寄り添って
~自分って何だろう~

秋も深まり、金木犀の香りが心地いい季節となりました。地域の方の力をお借りし、お米も収穫することができました。園庭のお米も収穫でき、子どもたちも職員も喜んでいます。神様に感謝です。
プールあそびも終わり、子どもたちは、明日に開催されます"あおぞらひろば"に向かって、運動遊びを楽しんでいます。今回は、『11匹のねこ』の絵本を題材に11匹のねこたちと楽しむ"あおぞらひろば"です。
ご家族の皆様もご一緒に参加いただければ幸いです。

幼児クラスの子どもたちは、毎日、行っている体操やマラソンに加えて、鉄棒や跳び箱にも、興味を持ち、「今日もとび箱やりたい」「5段をとべるようになりたい」と笑顔で報告にきてくれます。
乳幼児期の身体機能は、この時期にめざましく成長発達をとげます。こうのとり保育園は運動遊びの基本にアクティブチャイルドプログラムの考え方を取り入れていますので、訓練ではなく、子ども自身が自発的に意欲をもって取り組めるような保育環境作りに力を入れています。発達の考え方としては、『何歳になるまでに〇〇ができるようになる』という能力開発的な捉え方ではなく、子どもの「やってみたい」「おもしろそう」といった子どもたち自身の意欲的な取り組みに着目していきます。例えば、子どもの運動能力を伸ばそうとすることに着目すれば、"じょうずにとび箱をとべるようになる"ために、テクニックを教えることを中心に考えます。一方で、目には見えない部分ですが、"どうしたらとび箱を跳べるようになるか"を考え、葛藤する姿、夢中になって取り組む姿、このような試行錯誤を繰り返すプロセスの中で、子どもたちが成長発達していく姿を重要視しています。その中で、達成感を得ることはもちろんですが、挑戦しようとする姿を私たちはしっかりと捉え、一人一人の目に見えない心の育ちに着目し、必要な援助を行いたいと考えています。
ここで、最近、目に留まった絵本の紹介をしたいと思います。
主人公のけんたくんは、宿題、お手伝い、部屋の掃除とやりたくないことだらけの生活にげんなりしていました。そこでお小遣いを全部使って、1体のロボットを買います。「ぼくのニセモノを作って そいつに ぜんぶやってもらおう」と考えるけんたくん。そして、ロボットに教えようと自分のことを客観的に考えるのです。
『ぼくは、なまえとかぞくがある。』『ぼくは、できることとできないことがある。』『ぼくは、むかしからぼく。』
『ぼくは、まだつくりとちゅう。』『ぼくは、ひとりしかいない。』と色々な自分を考えていくけんたくん。中でも『ぼくは、マシーンでもある』は最高で、『「くつしたボロボロマシーン」「かみの毛工場」等々』の描写がとてもユニークです。大人でもしみじみと心にしみてくるものがあり、味わい深い一冊です。
『ぼくのニセモノをつくるには』-ヨシタケシンスケ- ブロンズ社
「ぼくってなんだろう」と一生懸命に、自分のことを考えるけんたくん。自分は自分であって他にかわりはいないことを自身で考えることで、知っていくのです。子どもも大人も自身をみつめるきっかけにもなると思います。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、よろしければ、お貸ししますよ。事務所にどうぞ。

園長 永島弘美