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ホーム  > 園長コラム  > 新型コロナ時代の食育

新型コロナ時代の食育

梅雨明けの知らせが待ち遠しいですね。季節の移り変わりの変化を感じながら、この季節ならではの楽しみに触れ、過ごしていきたいと思います。
さて、「新しい生活様式」に変更した生活習慣を心掛けていくことが求められ、家族みんなが家にいることで家族で食卓を囲む機会が増えたご家庭が多いのではないかと思います。家族みんなで食事をし、普段なかなかできないコミュニケーションをとり、習い事や仕事に追われておざなりになりがちだった団欒と食卓が見直されるのは、大変嬉しいことです。食育の3本柱の2本目には「衣食住の伝承・しつけは共食(団欒)から」とあるほどです。
メリットもあればもちろんデメリットもあります。「食事の支度への負担増」です。コロナ前は給食やお弁当、外食や中食で済ませていた食事も、家庭でしなければならなくなったのは、やはり負担になっていると思います。仕事で疲れたので夜や週末は外食に、とも以前のようにはいかなくなりましたね。磐田市内飲食店応援サイト『TAKE OUT IWATA』(磐田のおいしいをお持ち帰り)を私自身も何度か利用させていただいています。
世界中で感染症が広がっている状況だからこそ食育の重要性が高まっているところであり、健康と養護の観点から『心身の健康の源である食』「栄養」や「食事」も重要な感染症対策であると言われています。給食やおやつも皆で楽しくお話をしながらいただくことは難しく、暑い季節は子ども達も食欲が落ちる為、この夏は食育に力を入れたいというクラスがありました。今年は例年に比べ行事、イベント等が少なくなりましたが、その分子どもがじっくり生活・遊びをする時間の確保が出来ています。毎日の生活リズムが習慣付き、お手伝い等も積極的に行ってくれる子が多く、夏野菜のお世話に夢中です。毎日観察をすることで、野菜の生長の変化に驚き、収穫を心待ちにしていた赤組さん。愛情たっぷりのいんげんが立派に育ち、収穫。早速、職員が子ども達の前でクッキングを行いました。素材の味を楽しんで欲しいという願いから、塩ゆですることにしました。火が通り、より鮮やかなグリーンとなったいんげんを食べた時の子ども達の目は輝いていました。「お味はどう?」と私が訪ねると・・・満面の笑みを浮かべ親指を立て『GOOD』と動作で表現したのです。どんな言葉よりも気持ちが伝わってきました。大切に大切に皆で育ててきたいんげんは野菜が苦手な子もペロリと食べてしまいました。この日のエピソードには続きがあります。「先生、見て下さい!」クラス担任が興奮をして事務所に来ました。食べ終えた後、1人の女の子が描いた絵を持って来てくれました。なんと、両手にいんげんを持ち、大きなお口を開け美味しそうに食べている絵です。堂々とした線で描かれ、自信あふれる素敵な経験画でした。3歳児が経験した感動を自ら絵に表現したのです。この絵からはこの日の感動だけではなく、自ら意欲をもっていんげんに関わる体験を積み重ねてきた日々や、保育者や友達との関わり、交わりまでもが伝わってきました。保育者の思いや願いが日々の積み重ねを通して子どもの姿に様々な形で現れた素晴らしい日でした。その後もプランターで育てたじゃがいも、きゅうり等の収穫、クッキングを楽しんでいます。
食を通して健康や人間関係、文化、環境など、身の回りで起きていることに耳を傾けることが、私たちの体と心の成長につながっていくのだろうと思いました。

園長 梶山美里