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〝自分らしく〟生きていく

園長 永島弘美

チューリップの芽が大きく伸び、きれいな花を咲かせてくれるのがとても楽しみです。3月は、年長組(5歳児)の25名の子どもたちが、巣立ちの時を迎えます。保育園生活が一番長い子どもさんは6年8か月になります。そして、年長児の保護者の方々との就学前の面談を行い、共に子どもさん一人一人の成長を喜び合うことができましたこと感謝いたします。卒園式には、赤組(3歳児)と青組(4歳児)の子どもたちも一緒に卒園式に参加し、お祝いしたいと考えています。送迎等のご協力をよろしくお願い致します。

先日、中遠教会からいただいた印刷物の中のこんなメッセージが心に留まりました。
以下は、医師の山内英子さんの〝自分らしさを大切に〟というタイトルの中の一部を抜粋したものです。
『-略- 私たち家族がかつて15年間暮らしたアメリカにはさまざまな人種が混在しています。そこでは違いが尊重されると同時に、個性を生かして人とは違った自分を持つようにと、子どもの頃から教育されます。平均的な人間を作り上げるのではなく、一つ自信を持てるところを早くから見つけ、そこを育てていく。それに伴い苦手分野の意識が薄れ、自信を持てるようになっていく。人はその違いを認めてもらうことによって、アイデンティティ、すなわち「自分らしさ」を形成して自信を得ていくのでしょう。 -略-』

さて、保護者の皆さんは、自身のまた、我が子の「自分らしさ」というものをどのように捉えているでしょう。
人には一人一人に与えられている賜物があります。ですが、どうしても他の人との比較で自分を見てしまうことも多々あるのです。できるとかできないとか、目に見えるところでの比較に心を奪われることも多いのではないでしょうか。私は、こうのとり保育園で育つ子どもたちには、与えられている賜物があることが感じられるように育てていきたいと思っています。目に見えるものだけではなく、目には見えないものを感じたり考えたりすることができる子どもに育ってほしいと願っています。こうのとり保育園では、他児と比較をすることなく、一人一人の成長を丁寧に見ていき、その子に合った援助方法を考えて保育を行っています。何らかの原因で心や体に障がいがある場合は、専門機関と連携をしながら、できるかぎり、その子の成長発達に合った方法で、保育をすすめていきます。そこには、保護者や保育者だけの力ではなく、共に過ごす子どもたちの力も大きく影響します。様々な違いをお互いに認め合い、共に生活することは、子どものアイデンティティの形成に大きく関わってくるのです。

ひとりひとりに与えられている賜物、それはかけがえのない大切なものです。しかしながら、自分のことは自分で見えない部分も多いもので、他の人から認められたり褒められたりすることで、自分を確認したり、自分のことを意識することができるのだと思います。また、自分を振り返るという意味では、保育者の投げかけや子ども同士が関わり合って生活する中で、自分を見つめ、自分を知る機会が与えられます。どちらにせよ、まず自分を表現する、表現できる環境(人的にも物的にも)が必要です。愛されている、受け入れられていると思える基本的信頼(11月の園だよりに掲載)を土台とした環境の中で、自分を表現することを幼少期に大いに経験してほしいと思っています。子どもによって表現の仕方は様々ですが、幼少期に自分を表現しながら〝自分らしく〟生きていることを実感してほしいと考えています。

こうのとり保育園を卒園していく子どもたちには、目には見えないけれど、いつも支えてくれる、愛してくれている神様の御手の中で、与えられている自分の賜物を信じて、勇気と希望を持って生きていってほしいと思います。どんな時も〝自分らしく〟生きていくことは、容易ではありません。私たち人間の永遠のテーマなのかもしれませんね。