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ホーム  > 園長コラム  > 豊かな自然体験が育むものは

豊かな自然体験が育むものは

さあ、本格的な夏の到来です。先日は、プール掃除などの奉仕作業のご協力をありがとうございました。お陰様で、
プール開きも行うことができました。子どもたちの心を開放的にしてくれる水あそびを存分に楽しみたいと思います。
もう1ヶ月以上も前になりますが、「ジャガイモの花、咲いたよ!」と嬉しそうに教えに来てくれた5歳児Aくん。保育園の畑に咲いたうす紫色の花は何とも愛らしく、子どもたちも収穫を心待ちにしていました。先週は待ちに待った収穫。採れたてのジャガイモは、茹でて美味しくいただきました。自然の恵みに感謝です。このジャガイモは、前週に収穫した玉ねぎと合わせて、7月のお泊り保育のカレー材料にもなるのです。
また、先月号の園だよりで紹介致しました南御厨菜園クラブの鈴木さんの畑でさつま芋のつるさしの経験もさせていただきました。保育園の畑にも少しいただきました。お世話をしながら、さつま芋の成長を見守りたいと思います。そして、石川さんの田んぼでは田植えの経験もさせていただきました。素足で田んぼの土の感触を楽しんだり、オタマジャクシなどの小動物に触れたりする中で、子どもたちは、発見や驚きの連続でした。豊かな自然体験をすることができました。この田植えの実体験は食育へとつなげていきます。そして、キュウリ、トマト、ナス、オクラといった夏野菜の世話をしている子どもたちは、その成長も間近で観ることができます。日ごろ、野菜が苦手な子どもも、手作り夏野菜は大すきなのです。
以前、文部科学省が実施した「子どもの体験活動等に関するアンケート調査」。この調査は、小学校2・4・6年生及び中学校2年生合計約1万1千人等を対象としたものです。この調査で、「生活体験」や「自然体験」が豊富な子どもほど道徳観や正義感が身についているという、高い相関の傾向がみられるという注目すべきことが明らかになったのです。「生活体験」としては、「小さい子どもを背負ったり、遊んであげたりしたこと」、「ナイフや包丁で、果物の皮をむいたり、野菜を切ったこと」等で、「自然体験」としては、「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと」、「太陽が昇るところや沈むところを見たこと」、「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」等の9項目の自然体験の有無を調べたのです。このような経験が豊富な子どもほど、「友達が悪いことをしていたら、やめさせる」、「バスや電車で席をゆずる」といった道徳観や正義感が身についている傾向が見受けられたのです。
人として育つ上で、「自然体験」は重要な意味を持ちます。
子どもたちにとって生きた経験となり、成長過程で子どもたちの心身の発達に大きな影響を与えます。自然と触れ合う経験を、そして、豊かな生活体験を幼少期にと考えています。
稲穂が黄金色に輝く10月には、稲刈りや芋ほりを予定しています。支えていただいている地域の方々に感謝です。

園長 永島 弘美