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ホーム  > 園長コラム  > 子どもの持つ力を信じて

子どもの持つ力を信じて

新緑の美しい季節となりました。
新しい担任そして新しい環境の中で、戸惑いを見せながらも少しずつ落ち着きをみせてくれる子どもたちです。
家庭訪問期間の家庭保育のご協力に感謝いたします。ご家庭での様子を垣間見ることができ、子どもとの親近感もわき、お時間を作っていただきましたことに心より感謝申し上げます。今後の保育に活かしていきたいと思います。
新しい環境での生活が始まって1ヶ月がたち、保育園の中では、いろいろなドラマがありました。
その①、4、5歳児の異年齢クラスに進級した4歳児の女児Aは、3歳児クラスの時には、誰より早く友だちのお世話ができるリーダー的な存在でした。ところが今は、そういうわけにはいきません。5歳児の大きい子たちがいるので、自分の思うようにはいかないことも多くなったのです。今までには見られなかった、少し気落ちしている姿が見受けられるようになりました。
その②、4歳児女児のMとNはトラブルが多く、Mはそれをいじわるととり、Nを敬遠しがちだったのです。ところが1年が過ぎ、お互いにお互いをわかり合うことができたのか、あうんの呼吸で大の仲良しになり、5歳児クラスに進級しました。さあ、これからはどんな進展があるのでしょうか。
その③、3歳児クラスに進級したSはかけっこが苦手で、担任と一緒に皆より遅れて走り出し完走。ところが、座る場所(テラス)は満杯でSが座るところはありません。泣きじゃくるSを、新人の保育士は一生懸命になだめて、ちょっと離れた他の場所をすすめてみるものの全く応じる気配なし。その様子をみていた同年齢の女児Kは可哀そうに思ったのか頭をなでに来てくれましたが泣きやむことはなく、そこにいたクラスの皆も途方に暮れていました。そこに現れたのが救世主男児Yでした。Yは鉄棒の近くにあった30㎝程で高さが15㎝ほどの木製の台を2つ運んでくるとテラスの続きに並べ、「ここに一緒に座ろう」と誘います。Sは泣きやみ、Yが用意してくれた特別席に、満面の笑みで座りました。
さあ、保護者の皆様は何を感じられたでしょうか?
子どもひとり一人に、いろんなドラマが毎日のように繰り返されます。子どもたちも結構、大変なこともあるのです。①のAの葛藤はもう少し見守りたいと担任とも話しています。きっと彼女はまたひとまわり大きく成長していくことでしょう。②はトラブルが多かったふたりが快い関係を結べるようになったことはすばらしいことですが、ここにくるまで、担任は、その対応に思い悩み、工夫し、保護者の方とお話させてもらいながら見守り、ここまできました。どこで保育者が入るべきか難しい時も多いのですが、基本的には子ども自身が自分で考える時間を持てるようにし、葛藤を経験する中で成長していくことができるようにしたいと思っています。③の場合、子どもの発想力と相手を思う気持ちに感動のクライマックスが待っていました。保育士自身も子どもの力に驚きを隠せない様子でした。安易に大人が取り上げてもいけませんが、必要な時には入らなければいけません。その見極めは重要です。職員それぞれの専門性を生かし保護者の皆様の力も借りながら保育をすすめていきたいと考えています。また、5月は親子散歩を計画しています。自然とのふれあいの中で、一緒に楽しみましょう。ながら楽しめるように日頃のお子さんの姿が見られると思います。

園長 永島 弘美