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家庭生活と園生活がつながり合って

桜のつぼみも膨らみ、チューリップが芽を大きく伸ばし始めています。暖かな春もすぐそこまできていますね。3月は、年長組(5歳児)の24名の子どもたちが、巣立ちの時を迎えます。その中で、0歳児クラスから入園されているのが22名で、保育園生活が一番長い子どもさんは6年6ヶ月になります。卒園式には、3歳児と4歳児の子どもたちも一緒に卒園式に参加し、お祝いしたいと考えています。送迎等のご協力をよろしくお願い致します。
卒園を前に、年長組の保護者の皆様と三者面談を行っています。園での子どもさんの成長した様子をお話させていただき、ご家庭での様子も教えていただきました。思いがけない家庭での姿や保護者の方からお聞きする子育て術や生活の工夫していること等をお聞きすることができ、貴重な時間となりました。ありがとうございました。
面談の中で、ご家庭での子どもさんが家族と関わり合って、協力し合って、生活している姿を垣間見ることができました。A君のご家庭では、土曜日は午前中に風呂場や洗面所やトイレ等の掃除や片付け等をご夫婦で行うことを習慣にしているそうです。快適に暮らしていくためには、掃除は欠かせないものです。A君自身も朝起きてパジャマをたたむ等も習慣になっているようです。A君はご両親の姿から、片づけることや整えることで気持ちよく過ごせることをよく知っています。園生活でも変わらず、身の周りの片づけ等を整えています。身についていくものですね。
また、保育園で活動したことを家庭に帰ってやっている姿も数多くみられました。レストランごっこや食育で経験したことを家庭に帰ってからも再現してみたり、中には、母親と共に台所に立って、味噌汁を作っているお子さんの姿もあり、「味噌はこれくらいだよね」と味噌も溶き入れているようです。他にも、園で取り組んでいるマフラーの編み機をガムテープの芯と鉛筆を使って、家でも作り、弟のマフラーを編んでみたりと家族も一緒になって、その姿を優しく見守って下さっているようで、微笑ましい光景が思い浮かびました。
その一方で、こんなお話も。園では、あまり甘える姿が見られないお子さんも家庭に帰ると、べったりと甘えるようで、おんぶや抱っこ、中には食事を食べさせてもらうこともあると聞き、園では考えられない姿に担任とふたりで本当に驚きました。家庭で受け入れられ、愛されているという実感が園での活力となっているのでしょう。
こんなエピソードもうかがいました。母親に叱られていたY君の姿を見ていた父親。次の日、仕事で帰りが遅くなり、買ってきたお土産のお菓子と一緒に、「お母さんの言うこと聞くんだよ」とY君に宛てた一枚の手紙を添えてテーブルの上に置いておきました。その翌日、Y君は「昨日は、ありがとう。みかんをあげるね。お仕事がんばってね。パパありがとう。Y」と返事の手紙を添え、ミカンと一緒にテーブルの上に置いてあったというのです。Y君は、優しく見守ってくれているお父さんの気持ちがきっと嬉しかったことでしょう。家族の絆も深まりますね。
5年6年と一緒に過ごし、友達のこともよくわかっていて、サッカーする時にはMくんというように自分が目標とするあるいは良きライバルとして、より楽しめる相手と共にいることを選んでいることもあるようです。西小学校との交流で、縄跳びを華麗にとぶ小学生の刺激を受けて、日々、縄とびに取り組み、あやとびや二重とびにも挑戦している子どもたちもいます。
生まれたばかりの頃は、すべてを依存しないと生きてはいかれない子どもたちが、本当に大きく成長したことに喜びと感謝の想いでいっぱいになりました。大人の温かなまなざしの中で、こうして自分の想いを実現し、“自分を”生きていく子どもたち。こうした日々の生活が、未来を生き、未来を創り出す子どもたちへと育んでいきます。
年度が変わり、新たな一年が始まります。家庭と園が共につながり合ってすすみたいと思います。

園長 永島 弘美