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ホーム  > 園長コラム  > もっと楽しく運動あそびを

もっと楽しく運動あそびを

田んぼの稲が首部を垂れて、刈り入れの時期を迎えました。そして、心地よい風が秋の深まりを感じさせてくれます。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、さあ皆さんはどんな風に秋を過ごされますか。
 こうのとり保育園では以前から運動あそびに着目し、毎日の体操やマラソンそして、生活リズムを整えるために午後の運動にも取り組んでいます。今年度、子どもが夢中になってあそぶことで、身体の諸機能の調和的な発達を促すことができるようになることを目的として“アクティブ・チャイルド・プログラム”を取り入れました。このプログラムを活用して、子どもたちが発達段階に応じて、身に付けておくことが望ましい動きや身体操作をする能力を獲得し、高めていけるように保育活動に盛り込みたいと考えて、実践しています。そして、このプログラムの普及、啓発プロジェクト代表の静岡理工科大学の富田寿人教授と共に、年長児の発達の変化を追ってみたいと考えています。
 これは、決まったプログラムを行ったり、何かを練習したり、訓練したりするものではなく、基本となるのは、子どもたちが夢中になれるあそびを提供することです。子どもたちの「もっとやりたい」「おもしろい」「たのしい」といった気持ちで、子どもたちが自ら意欲的に取り組んでいけるように、保育者は仕掛けていくのです。今回は、幼児クラスにスポットをあてていますが、0歳児から5歳児まで保育園全体の取り組みとして実践しています。
0歳児クラスの子どもたちは、様々な身体の使い方を自分自身の力で、体得しようと試行錯誤を繰り返す様子が見られます。フラットな床面だけでなく、段差や高さをあえて作ることで、手や足そして身体のいろいろな部分を使って、登ったり降りたりと新しい動きを獲得していくのです。先日の懇談会のビデオ視聴の中で、Sくんが自分の足の長さより高い台を乗り越えようと繰り返し挑戦し、自分の力で、やり遂げた姿がビデオに収められていました。そこには達成感を味わい、満面の笑みをみせるSくんの姿がありました。
幼児クラスは、自由遊びの中で巧みに身体を動かすことができるような環境設定を行い、ルールのある集団遊び等を継続的に楽しんでいます。
文部科学省は、幼児期の運動指針として『幼児は様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しくからだを動かすことが大切です』と説明し、幼児期運動指針のポイントとして、以下の3点を挙げています。
1) 多様な動きが経験できるように様々な遊びを取り入れること
2) 楽しくからだを動かす時間を確保すること
3) 発達の特性に応じた遊びを提供すること
例えば鬼ごっこには、走る、よける、登る、くぐる、などの多くの動きが含まれますし、あるいは「走る」にしても、追いかける、逃げる、かわす、速さや方向を変える、などの動き方にも多様性が見られます。幼児が楽しみながら夢中になって遊んでいるうちに多様な動きを経験し、結果として様々な動きを獲得し身に付けていくことが望ましい姿といえます。-日本体育協会発行アクティブ・チャイルド・プログラムより-
こうして、年齢が増すにつれ、子どもたちは新しい動きとの出会いの中で、様々な経験をし、動きが多様化していきます。運動は健康を維持するための生活習慣形成に役立ち、子どもたちは友だちと関わりながらあそぶことで、自我を抑制し、協調・協働することを学んでいきます。近年、運動が知的能力にも良い効果をもたらす可能性が示されているようです。保護者の皆様の協力も得たいと考えていますので、どうぞよろしくお願い致します。子どもさんと一緒に、楽しく身体を動かすあそびの紹介も行いますので、お楽しみに。

                                                     園長 永島 弘美