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「こころの3大栄養素」

秋の深まりを感じますね。稲刈りや芋ほりを体験した子どもたち。お芋を使って、れんげ組(2歳児)はスイートポテトを作りました。芋をレンジでチンして、ビニール袋に入れて子どもたちの手でこねてから成形したものです。調味料は、バターを少しだけ。これが驚きの美味しさで感動しました。子どもたちは満面の笑みでした。
さて、保護者の皆様にお聞きします。日常、母親が使う言葉で多いのは、ほとんどが禁止言葉と命令言葉で「早くしなさい」「しては駄目」「しっかりしなさい」この言葉がベスト3だと言われています。仕事と家事育児のバランスをとりながら生活している毎日、うっかりするとそれが日常だと感じている方はいらっしゃいませんか?
先日、保育雑誌の中の「絵本は読んでもらう本です」というタイトルに目が留まりました。その福音館書店の絵本研究者によると「絵本の読み聞かせ」が子どもの『こころの3大栄養素』をもっているというのです。絵本は絵と文字で描かれた言葉の宝庫。読み手が声を出して読み、子どもはその言葉を耳にして絵を読みながらお話を楽しむのです。絵本の文章には文学者、詩人、科学者の選りすぐった言葉の世界が詰まっています。私たちが語ることで、『語り手の言葉』として『語り手の声』になって、子どもに届けることができるのですから、こんなに嬉しいことはありません。私たちは文学者でも詩人でも科学者でもありませんが、その素敵な世界を子どものこころに届けることができるのです。しかも、子どもたちに「愛情・笑顔・語りかけ」の『こころの3大栄養素』を与える時間となるというのですから願ってもないことです。「絵本の読み聞かせ」の中での「言葉のシャワー」は、子どものこころの成長を促し、貴重な体験となって「自分は大切にされている」「自分は愛されている」と実感できるようになるのだと思います。子どもたちには守られているという安心感が必要で、子どもにとって幸せな時間を過ごせることと思います。
ですので、園の絵本コーナーもご活用いただいて、「絵本の読み聞かせ」を是非、お願いしたいと願っています。また、図書館の利用もお勧めします。ここで、私から、おすすめの絵本を紹介させていただきます。先日の職員会議の中で、小倉管理栄養士から「絵本を使って食育活動をしてみませんか」という提案がありました。その絵本がとても楽しく愉快な内容でしたので、園でも活用していきますが、保護者の皆様にも是非、読んでいただけたらと思い、その一部をご紹介させていただきます。すべて図書館で借りたものです。
『おいしいものつくろう』(岸田衿子さく)では、小川のせせらぎが聞こえてきそうなのどかな風景の中にあらいぐまの家族とうさぎの家族が登場します。朝起きて、顔を洗っているあらいぐまの親子の姿や歯磨きしている子うさぎの姿が生き生きと描かれています。何がすごいかと言うと、朝食と昼のお弁当と夕食の作り方が丁寧にわかりやすくかかれているのです。朝食のぱっくりドック、オムレツ・フラメンコ、遠足に持っていくお弁当は、おむすびごろりんとたからじまサラダ、夕食は、たのしみ豆腐とじゃがいもピザ、デザートは、かじゅえんゼリーです。どれも簡単で、お子さんと一緒に作れるものばかりなのです。家族の温かな関りが描かれていて、こころが温まります。この他にも、『まぜて、とかして、おりょうりしよう』(西巻茅子さく)では、おとうさんの誕生日を家族でお祝いするために、お母さんとふたりの子どもたちが、混ぜご飯とサラダとドレッシングを作り上げる様子が描かれています。こちらも具体的なレシピもストーリーの中に溶け込んでいます。時間がたつとドレッシングの油と酢が分離すること、混ぜ合わせても、もとの食材が見えるものと溶けて見えなくなる不思議をふたりの子どもたちは体験します。そして、『もちもち おもち』(庄司智子さく)では、お餅好きにはたまらない一冊です。大人も子どもも一緒に楽しめますよ。

園長 永島 弘美