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大きくなりました

梅の花がきれいに咲きそろいました。自宅の近くの豊岡梅園も見頃を迎えたと報じられていました。
年長児は卒園を迎えます。24名の年長児のうち、0歳児クラスからの入園が14名と半数以上で、1歳児クラスからの入園のお子さんを加えると21名になります。赤ちゃんの頃からずっと生活そしてあそびを共にしてきた仲間です。

2月には年長児の保護者の皆様方と面談をさせていただきました。子どもたちの成長を保護者の方々と共に分かち合い、喜び合うことができました。お時間をつくっていただきましたことを感謝申し上げます。
年長で保育年数が6年のA子さんは、友だちや周りの人たちと、いつも柔らかな表情で関わる穏やかな子どもさんです。自分より小さな子には顔を覗き込んで、「どうしたい?」と聴いている姿も見られ、相手を思いやる姿がみてとれます。A子さんのお母様とお話させていただいた内容にふれてみたいと思います。
クリスマス会の役決めの日のこと。A子さんはぺージェントでは大星を希望していましたが、友だちに譲り、自分は違う役につきました。担任は、最初からずっと希望していた役なので気になって「本当にいいの?」と確認をし、個別にも話をしましたが、本人の中では切り替えている様子。保護者にしてみても、ずっと希望していた役だったので、気にかかっていたことと思います。それでもお母さまは、「この子が決めたのであれば、それでいいです。子どもとも話しましたが、違う役をやると気持ちも切り替えているようなので。」と話されました。
面談の中で、お母さまから『子ども自身が決めたこと』を常日頃から大切にしていると、お聞きしました。子どもさんのことを心から信頼しているということがよくわかりました。とても大切なことだと思いました。私も『子ども自身が決める』は大切にしてきたことです。
これは先月号の園だよりにも掲載いたしました『主体は子どもにある』ということに繋がります。そこには、子ども自身の責任も伴うでしょう。一方で、何でもかんでも子どもが決めるということではありません。子どもの想いや考えに耳を傾け、その上で、子どもが考える材料を与えていくことは必要でしょう。
家庭にはそれぞれの考え方があり、大切にしていることも様々です。ともすると、大人の考え方が優先されがちですが、子どもに相談をかけることで新しいアイデアも生まれることも多いものです。お話しする中で、園の姿とご家庭での姿とが随分違っている子どもさんもいらっしゃいました。中には「園での様子が信じられない」と言われた保護者の方もいらっしゃいました。保育園と家庭そのどちらの子どもさんの姿も子どもさんそのもので、偽りではありません。“甘えたい”を受け入れて、心の中を充電させてあげてください。
保育園という小さな社会の中で、精一杯、子どもたちは生きています。保育園の子どもたち、本当に大きくなりました。信頼できる大人がいて、人を信じ、自分を信じるようになっていくのです。
そして、良好な人間関係を築き、何事にも前向きにチャレンジし、困難に直面しても乗り切ろうとするなど、社会の中で前向きに活躍する意欲や力を身につけていきます。来年度の成長も楽しみです。

園長 永島 弘美