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『生まれてきてくれてありがとう』

保育園に新しく入園された子どもたちそして保護者の皆様、おめでとうございます。在園の子どもたちそして保護者の皆様、ご進級おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。
こうのとり保育園は1971年の11月に認可保育園として創設されましたので、今年度、47年を迎えます。成り立ちは日本基督教団中遠教会に支えられ、子どもたちをお預かりしたのが、始まりでした。創設からずっと統合保育に力を入れ、障がいのあるないに関わらず、共に生活し、共にあそび、共に学ぶ場として、子どもたちの成長発達に関わらせていただいております。これからも、子どもたちの保育・教育そして、保護者の皆様の支援をより充実させていきたいと考えております。さらに、畑のお世話や行事のお手伝い等など、地域の皆様にもお力添えをいただき、子どもたちのより豊かな成長を目指します。

先日、1歳児クラスの保護者の方から、こんなお話をお聞きしました。親子のやりとりの姿に、私は心を動かされました。すでに2歳の誕生日を迎えたRくん(男の子)は、お母さまにこう言ったそうです。「お母さん、(ぼくに)『生まれてきてくれてありがとう』って言って。」と。お母さまは驚きましたが「○○くん、『生まれてきてくれてありがとう』」と伝えると、今度はRくんが「(弟の)Yくんにも言って。」と生まれて間もない弟のことも気にかけていたようです。その後、お母さまはRくんに生まれた時のお話もされたそうです。とてもよく聞いていたRくん。その話の中で、生れてくる時におなかが痛かったことを聞くと、Rくんは言ったのです。「おかあさんのおなかを、痛くして、ごめんね。」と。
私は、Rくんの感性の豊かさに感動し、涙が出てきました。『生まれてきてくれてありがとう』のことばを生活の中で耳にしたのでしょう。大好きなお母さんに言ってもらい、Rくんはどんなに嬉しくどんなに心地よく感じたでしょう。きっと『受け入れられ、愛されている自分』を実感したことと思います。しかも、Rくんは自分のことだけでなく、弟のことも自分と同じように気にかけているのです。そして、大好きなお母さんがお腹を痛めて、生んでくれたことを聞いて、母親の痛みを感じ、「ごめんね」と謝るRくんの姿にも感動しました。2歳の子どもに、こんな豊かな感性が宿っていることを改めて気づかされました。
私たちが子どもたちの育ちの中で、一番大切にしていることは、『目に見えないものを大切にする心』を育むことです。愛すること、信じること、希望を持つことは目には見えませんがとても大切なものです。私たちはそれらが生きていくための土台となると考えています。そのためには、保育者自身が目に見えないことを大切に思い、関心を持つことが重要です。子どもたちはそれを感じ取っていくのです。保育園が子どもたちにとって安心できる空間となり、愛情に包まれた保育環境の中で、一人ひとりがかけがえのない存在であり、愛されていることを「実感」できるような関りを大切に、歩みたいと思います。2018年度も神様の大きな御手の中で、子どもを真ん中において、家庭と保育園がしっかりと手を携えてすすみましょう。どうぞよろしくお願い致します。
困っていることがある時、嬉しかった事等など、何でもお話くださいね。

園長 永島弘美