グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 子どもの姿を的確に捉える保育者の目

子どもの姿を的確に捉える保育者の目

子どもの姿を的確に捉える保育者の目


夏まつりには、父母の会の役員の皆様、ヨセフの会の皆様のお力添えをいただき、無事に終えることができましたこと感謝を申し上げます。たくさんの皆様にご参加いただき、本当にありがとうございました。海外視察と重なり、参加できずに申し訳ありませんでした。
さて、年長の子どもたちが田植えをした稲が大きく実り、夜になると秋の虫たちの大合唱が響きわたります。コロコロコロと鳴き声を響かせるエンマコオロギ、リーンリーンと鳴くのはスズムシ、そして、私の大好きな鳴き声は『チッ、 チリリー』と夜の静けさの中、美しい鳴き声が際立つマツムシ。季節は秋へと移り変わります。
先日は「プールおさめ」が行われ、クラスごとにひとりひとりができるようになったことを披露してくれました。顔付けそして潜るさらに身体全体を水の中に浮かせ足で蹴って進む“けのび”と年齢が進むにつれて、子どもの姿も変わっていきます。
保育士は無理強いすることなく、子どもたちのやりたい気持ちを尊重し、ひとりひとりそれぞれのペースで伸びていく子どものたちの姿を手助けしてきました。子どもたちと共に専門の講師から指導を受けたことも活かしながら、「プールおさめ」の日を迎えました。子どもたちは「見ててよ!」「見てていいから。」と意気揚々に声をかけてくれました。担任からは「○○くんを見てください!」「△△くんのこと、見てくれました?」と、心も体も成長したことを喜ぶ担任の気持ちも伝わってきました。皆で、子どもたちの成長を喜び合うことができました。本当に感動し、感謝の思いでいっぱいになりました。大切な水を使わせていただいたことやこうして成長させてくださった神様に感謝のお祈りをささげました。
夏休みに学童保育にきていた小学校1年生のHさんは3歳児の時は、水が顔にかかることもいやがり、プールサイドで見ていたことを思い出します。4歳児で、やっと少し顔つけができるようになり、年長になっても水が顔にかかるのを嫌がっていた彼女でしたが、プールあそびには意欲的で“けのび”もできるようになりました。その後、小学校に入り、夏休みの学童保育では、高学年の子どももいる中で、リレーではアンカーを自分で立候補する程になりました。子ども自身が自分のペースで力をつけたことが、大きな自信につながっているのです。無理強いすることなく、子どもたちのやりたい気持ちを尊重し、ひとりひとりそれぞれのペースで伸びていく子どものたちの姿を見守り、手助けするためには、子どもの姿を的確に捉える保育者の目が必要です。
 私は、イタリアのローマへと視察に行き、教育や文化にふれ、心を動かされた教育法の中で、ひとりひとりの子どもが何をしていて、何をしようとしているかをよく観察することが大切であり、それに対してどう援助ができるかが重要だと語られ、さらに、やりたいことは同じでもひとりひとりタイミングが違うことを受け止め、子どもひとりひとりに『あなたのやりたい時間があり、あなたのやりたいことがあり、あなたのやり方で』というメッセージが続きます。そして、その根っこには、1)子ども自身が愛されている 2)子どもが尊重されている 3)子どもとの信頼関係があるとこの三つを感じられることが大切だと語られ、こうのとり保育園の、そして、聖隷の保育園こども園の保育教育理念につながるものだと改めて再認識いたしました。

園長 永島弘美