グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 巣立ちのときを迎えて

巣立ちのときを迎えて

桜のつぼみも膨らみ、チューリップが芽を大きく伸ばし始めています。暖かな春もすぐそこまできています。
3月は、年長組の28名の子どもたちが巣立ちの時を迎えます。保育年数の一番長いお子さんは、6年8ヶ月で
す。卒園式の日には、3歳児、4歳児クラスの子どもたちも一緒に、卒園をお祝いしたいと思います。
先日、年長クラスに入った時のこと。年長児が身体測定を行っていて、「見て見て!大きくなったよ」と測定結果が記載された連絡ノートを嬉しそうに見せに来てくれました。5歳児クラスになった当初から5cm~6cm程伸びている子がほとんどでした。「ほんとだ!大きくなったね」と応えた私でした。愛おしさと成長の喜びを共に感じたひと時でした。2月には年長児の保護者の皆様と面談をさせていただきました。お時間を作っていただきましたことを感謝申し上げます。小さければ小さいほど成長の早さは目を見張るものがありますが、5歳児の成長は、また違った意味ですごいなと驚かされることばかりです。心身ともに自立に向い、先の見通しを持ち、目的を持って生活やあそびを楽しむ姿が見られます。複雑な感情を味わうことで、相手の気持ちや立場を理解し、気遣う姿も見られるようになりました。本当に大きくなりました。
保護者との面談の中では、家庭の様子も教えていただきました。家庭にはそれぞれの考え方があり、大切にしていることも様々でしたAくんのご家庭では“食事はできるかぎり、家族いっしょにいただく”を続けています。Aくんが「もう少しで終わるから」のことばに、おもちゃの片付けが終わるまで家族皆で待って、一緒に食事をすると話されました。肘をついて食べない等の食事のマナーも大切にされているそうです。また、遊んだ後の片付けも習慣になっていることも関心します。Aくんは、自分の意思をしっかりと持ち、様々な葛藤もありましたが、友だち関係を広げ、サッカーやドッチボールも大好きな男の子です。トラブルがあった時も一人ひとりの考えや思いを聞き取って、解決へと導いてくれるのです。
また、運動は苦手意識のあったBくんは、5歳児の後半になって、ドッチボールなどに進んで仲間入りするようになりました。様子を伺うと、家庭で運動遊びの習慣がついてきているようです。4月に園で、運動遊びについての講演会を聞き、ご両親が“色々な運動を一緒にやっていこう”と考え、公園に行くのが休みの日の日課になり、Bくんも楽しみにしているようです。運動遊びをきっかけに色々なことに自信をつけ、遊びや生活意欲も増しています。ご両親の意識が変わり、子どもの豊かな成長に結びついていることがよくわかりました。
家庭の考え方や子どもに向かう姿勢が園での保育活動と相まって、子どもの姿として現れているのだと思いました。子どもを家族の一員と考え、親が一方的に物事を決めるのではなく、子どもの考えや思いも聴き、親の気持ちも伝え、親子のやり取りの中で暮らしていくことが大切だと考えます。これは、園でも全く同じです。一人一人の成長がクラス全体を活性化させていきます。子どもは次第に仲間が必要であることを実感し、仲間の中の一人としての自覚が生まれ、お互いの信頼感を高めていきます。
新しい年度を迎えます。保育料の無償化などの制度改革も進みます。子どもたちの最善の利益に結び付くようにと心から祈ります。

                                                      園長 永島弘美