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遊びから学ぶ

新型コロナウイルス感染防止にあたり登園自粛、行事の中止、延期等各家庭でのご対応、ご理解、ご協力ありがとうございます。今年度の大型連休は不要不急な外出を控え、例年とは違う過ごし方をされたことと思います。家庭に家族が揃っている時間が増え、大変な中にも家族団欒が出来たのではないでしょうか。状況が時々刻々と変化し、収束の見通しが不透明となっておりますが、3つの密「密閉・密集・密接」を避け、手洗いや消毒の徹底などより一層感染予防に努め、子ども達の健康と安全を第一に考え過ごしてまいります。

4月始め春の風が心地よい天気の良い朝。園庭で元気に遊んでいる子ども達の様子を観ていると…
園庭の角に3歳児のAちゃんが急いで走ってきて樽王(雨水を溜めている樽の水道)の下に頭を思い切り突っ込み、また走り去って行きました。しばらくするとまたAちゃんが走ってきて同じように頭を入れ何かをしています。Aちゃんが走り去り、次はBちゃんも来て同じことをするのです。あんなところで何をしているのだろう!?興味を持った私は子どもの目を盗みそっと覗き込んでみました。するとそこには子ども達の宝物が!!大人でも手を思い切り伸ばさないと届かない樽の奥底に。この宝物を完成させるには時間が掛かるため、前日に作った物だと推測しました。なるほどここだったら誰にも見つからないし、雨にも濡れない。子ども達は色々なことがよく解かっていて、考えているのだなと関心してしまいました。
また少し離れたところから観ているとAちゃんがまたやってきて頭を入れたのでそっと近づいて行き、「ねぇねぇ、ここに何かあるの?」と声を掛けるとびっくりして顔を出し、私の顔をじっと見つめながら言葉を飲みました。しかし、私の知りたい気持ちが表情から伝わったのか「内緒だよ!サラ粉があるの。」と耳元で教えてくれスコップにサラ粉をすくい、また駆けて行きました。
(※サラ粉:砂を何度も繰り返し篩いにかけ、きめ細やかなパウダー状になったサラサラの砂)
まだ関わりの少ない私に迷いながらも内緒の話をしてくれたのです。内緒の共有、内緒の仲間に入れてくれたのです。それから私の顔をみる度、笑顔で微笑みかけてくれるAちゃんです。
子どもの頭の中を覗いてみたい。心の声を聞いてみたい。と思ったことはないですか?子どもたちはまだ自分の気持ちや考えを上手に言葉や行動で表現することは出来ません。しかし子ども達は小さな体で遊びや生活の中で豊かな体験を通じて、何かを感じたり、何かに気付いたり、何が出来るようになるのか等生きて働く知識・技能を習得しているのです。子どもは好奇心を抱いたものに対してより深い興味を抱き、探求していきます。そのものはどういう意味をもつのだろうか、どのように用いればよいのだろうかと不思議に思い、探索するのです。環境の中にあるそれぞれのものの特性を生かし、その環境から子どもの興味や関心を引き出すことが出来るよう、私達保育者も子どもと共に発見・感心・驚き・感動・感謝を大切に保育を展開していきたいと改めて感じました。

=天才脳の3つの性質=
    1.好奇心がある(わくわく)
    2.意欲を失わない(ああしてみよう、こうしたら・・?)
    3.満足感達成感を感じやすい(しみじみ)
食べ物文化:黒川伊保子「脳そだての黄金ルール」2010年 芽ばえ社より

園長 梶山美里