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『心をはぐくむ』

 朝晩は少し涼しくなりましたが、まだまだ残暑の残る毎日、体調管理には十分気を付けて過ごしていきたいですね。今年の夏は連日記録的な暑さが続き驚きましたが、夏ならではの遊びの経験を積み重ね、子ども達はまた一回り成長した姿を見せてくれています。
今年度は残念ながら夏季学童保育期間も短く、園児との交流も出来なかったのですが、困っている園児へ優しく言葉を掛けたり、あたたかく見守り続け、出来た時に微笑みかけたりする小学生の姿を見て、こうのとり保育園で今まで皆に愛されて過ごしてきたからこそ、このような関わりが自然に出来るのだろうと嬉しく思い心があたたかくなりました。
夏季特別保育期間の家庭保育のご協力ありがとうございました。皆様のご協力のお陰で園内の環境整備(消毒、玩具教材整理、倉庫片付け等)を行い、職員も交代で休暇を取得させていただくことが出来ました。特別保育に入る前、今年は職員に行動記録表を配布致しました。何かあった時に自分自身の行動内容を報告出来るためです。私はこの表を記入しながら夏休みの計画表を思い出しました。夏休み前に記入をした時のワクワクした気持ち、家族の大きなイベント前のドキドキ感、夏休み後半の寂しさ、予定通りにいかず残り数日の焦りと反省(親子共々)…どれも今となっては良い思い出です。今年度は皆様も工夫をされて過ごされたことが、連絡ノートや子ども達との会話から伝わってきました。きっとこの夏はどのように過ごそうか?どうしたら子どもと楽しめるのか?計画(話し合い)を立てられたことと思います。「毎日、パパと庭でプール遊びをしたお陰で、大嫌いなお風呂に泣かずに入れるようになりました。」「今年はどこにも出掛けられず、家にほとんどいた為兄弟げんかを覚悟していましたが、意外に下の子の世話をしてくれ認め合う姿に驚きました。」「今年は祖父母としか関われませんでした。祖父母に沢山甘えていましたが、これも必要な事なのかもと思いました。」そして「例年のような楽しみ方は出来ませんでしたが、家族との時間がとても充実していました。」という言葉がとても多く見られました。今年は例年以上に手洗い・消毒等が徹底されている為、体調を崩す子も少なく元気に過ごせたお子さんが多かったようです。保護者の方の思いと同じく、子ども達も休み明けとても落ち着いていました。乳児クラスのお子さんも安心して過ごせている子が多く驚きました。私自身も含め、振り返ってみました。新しい生活様式にも慣れてきて、「何もできない困ったぞ」と悩んだり、イライラしたりを乗り越え、可能性を信じて前向きに考えられるようになってきているのではないかと保育の中でも感じています。「なければつくる」のが子どものすごいところで、それをすること自体が子どもの発達にはプラスになっています。普段できていた遊びが出来なくなるからといって、子どもにマイナスになるとは限りません。機会が限られていても、子どもは自分の創意工夫で創り出すことができます。それを大好きな人(家族)とゆったりとした時間の中で出来るのであればなおさらです。家で過ごす時間が増えて、親子の距離感も縮まった家庭も多いのではないでしょうか。時間のゆとりが、気持ちの余裕にも繋がり、時には親子共々感情をオープンにしながら、心と心を通わせることができ、ありのままの自分を理解し受け入れてもらえることで、愛されている、大切にされていると家族皆が感じる夏休みだったのではないでしょうか。8月は広島・長崎の原爆記念日、8月15日の終戦記念日を迎え、園でも平和について考える時を持ちました。分け合い、お互いに折り合いをつけて一緒に過ごすことで、私達のささやかな毎日が支えられていることをもう一度心に留め、改めて感謝致します。

園長 梶山美里