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『おさるのジョージ』

 秋風が清々しい毎日、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、皆さんはどのような秋をお過ごしでしょうか?自然に触れながら、季節のうつろいを感じ、子ども達と秋を楽しんでいきたいと思います。
先日の土曜日の朝、実家で「おさるのジョージ」を見ていると祖母が子どもに言いました。「ジョージがどんなことをしても黄色い帽子のおじさんは絶対ジョージを怒らないね。ジョージを信じているんだね。」と。保育のヒント、振り返りになると思い先日の職員会議でも話題にし、職員の関わりについても皆で確認し合いました。
NHK教育テレビで放送されているアニメ「おさるのジョージ」は人気の絵本である「ひとまねこざる」と「おさるのジョージ」をもとにして製作されたアメリカのアニメ番組です。ご覧になっている方も多いと思います。おさるのジョージは好奇心が旺盛な子ザルの為、見るもの触るもの何でも知りたくて、何でも試したくなるのです。この姿がまさに我が子そっくり!一緒に見ているとつい子どもや自分と照らし合わせて見てしまうという方が多いそうです。そんなジョージの1つ1つの騒動。実際に我が子がしてしまった際には、鬼の形相で子どもと向き合ってしまうこともあるでしょう。しかし、おさるのジョージと一緒に暮らし、親のような役目を果たしている黄色い帽子のおじさんは、ジョージを叱ることはありません。まずはジョージを認めてあげ、行動を振り返りながらどこがいけなかったのか、どのようにすれば良かったのかを一緒に考えます。そして最後には「もう1回やってみようか」「次は出来るから大丈夫だよ」と信じて、背中を押してあげるのです。この黄色い帽子のおじさんの姿勢は多くの大人(親や保育者)が日々忘れがちな子どもへの向き合い方を思い出させてくれます。そして登場する人物全てが、温かく優しい気持ちを持った魅力的な人です。ここからはどの人もみんな素敵な心をもっていて、何かトラブルが起きても、互いを信用し助け合えば解決することが出来るという気持ちを芽生えさせてくれるのです。
日々子どもと真剣に向き合っていると様々なことが起きます。「どうしてこの子は…」「どうすればわかってもらえるのか?」頭では解っているはずなのに、時には方法が見えなくなり対応を間違えてしまうことも… そしてふと我に返り、反省したり、寝顔を見ながら謝ったり… 子育て(保育)をしているとこの繰り返しですね。黄色い帽子のおじさんのようにはいかない…と思っていながらも親子でおさるのジョージの魅力に引かれるのは、こんな関わり方をしたい。と思っているからではないでしょうか。私たち保育者も出来た、出来ないで子どもを評価するのではなく“子どもが何を経験しているか”の視点を持ち“何が育っているか”を職員同士で考え、育ちの連続性を視野に入れ、学びに向かう姿勢や人間性を豊かに育てていけるよう学び合う時間を持っています。神さまはそんな私たちをあるがままに受入れ、自分の存在を支えて下さり、信じて見守り、赦して下さいます。喜びと感謝をもつことによって、子ども達に自ら神に支えられた生き方を示していきたいと思います。
聖隷の子ども園・保育園の理念は「キリスト教の精神を基本理念とし、児童福祉法・児童憲章にのっとり、健康で安全・安心な乳幼児の保育・教育を目指します。」としています。そして次のようなメッセージを揚げています。『子どもたちの“今”が未来を創る』~子どもたちは「今」を生きています。私たちは愛を持って子どもたちの豊かな心を育みます。豊かな心は「未来」を創ります。

園長 梶山美里