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『豊かな感性』

紅葉(モミジ)や楓(カエデ)の赤、銀杏(イチョウ)の黄色、そして柿の実の橙色。美しい形の葉や果実、鮮やかな彩りが目を楽しませてくれます。晩秋を締めくくる「芸術の秋」ですね。子ども達にも、美しい季節の変化を感じ取って欲しいと思います。
 先日、気持ちの良い秋晴れの日、園庭で1歳児が遊んでいました。プランターに植えた赤キャベツの葉の穴に指を入れ「食べた!」と教えてくれたA君。「へぇー、食べたの?」と言葉を重ねると葉っぱを裏返し鼻に葉がついてしまうほど覗き込んで、じっくり観察し始めました。それを見ていたB君、C君も加わり、赤キャベツの葉っぱとにらめっこです。するとA君が大きな声で「あおむし!」そのうちB君も「いた!」と…「いたね。あおむし。」と声を掛けると3人で顔を合わせ、にっこり。あおむしの面白い動きを「ピーン、キュ・ピーン、キュ」と言いながら指で真似し始めました。小さいあおむしを見つけ「赤ちゃん」と言ったり、あおむしの動きが早く、見失うと「いなくなっちゃったね~」と微笑み合ったりと1歳児らしい可愛いい言動にほっこりしました。この姿から赤キャベツをあおむしが食べたことを知っていたこと、そしてそれを私に教えてくれた事に驚きました。そしてあおむしを探し、食べたのはこの子だよと証明してくれたのです。そのうち飛んできたモンシロチョウに誘われて「まて、まて~」と3人で駆け出していきました。その場にいた年長児に「あれ!?モンシロチョウ(あおむし)って春の虫じゃなかった?」と確認すると、「春と秋の虫だよ」「だって好きな食べ物があるもんね」と教えてくれました。
 子ども(赤ちゃん)は身の周りにあるいろいろなものに興味を示し、何でも手で触ったり、口に入れたりします。そばで見ている大人は、ついそれを取りあげてしまいがちですが、危険がない限り、様子を見ながら子どもが自由に過ごせることが大切です。物に触ったり、舐めたりする事で、冷たい、熱い、フワフワ、ゴツゴツといった感覚を感じ取っています。こういった感触の他に、見る、聞く、味わう、匂いを嗅ぐといった五感をフルに働かせています。特に、土の感触、草花の香り、鳥の鳴き声など、自然から感じられることは数限りなくあります。大人が子どもと一緒に自然にたくさん触れ、「風が気持ちいいね」「鳥の声が聞こえるね」など、語り掛けてあげると、子どもは感覚・感性で体験したことを吸収していきます。こうした乳幼児期のたくさんの体験が、豊かな感性や心を育む基礎になるのだなと子ども達の姿を通して改めて感じました。
 私達が住んでいる日本は四季があります。そのおかげでいろいろな食べ物を美味しく食べる事が出来たり、いろいろな虫、花に出会う事が出来ます。虫や野菜、食べ物、花等に触れて自然を感じ、嬉しくなったり、楽しくなったり、ちょっぴりさみしく感じたり…そこにはイエス様がいて、イエス様を感じることが出来ます。そしてそれは子どもだけではなく大人も同じです。季節「秋」を沢山感じ、お友達や先生、そしてイエス様と楽しく過ごしましょう。と礼拝で季節ボードを使いお話をしました。玄関の季節ボードに散歩等で子ども達が見つけた小さい秋を掲示してありますので、お子さんと共有してみて下さい。

園長 梶山 美里