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『人とつながる力』

 昼夜の寒暖の差はありますが、日中のポカポカな陽気が春を感じさせてくれます。園内に差し込むやわらかな陽射しが、今年度の残りわずかな時間をそっと包み込んでくれている気がします。
 先日はお忙しい中、懇談会にご出席いただき感謝いたします。皆様と一緒に、この1年を振り返り、お子様達の成長を共に喜び合い、改めて充実した一年であったことを実感させていただきました。2020年度は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、園での過ごし方や行事の持ち方等において大きな変化が求められた年でした。今後も感染拡大防止の為、今まで以上に衛生管理を徹底し、お子様達の体の健康のみならず心の健康にも気を配り、保護者の皆様や公的機関との連携を取りながら保育活動を続けていきたいと思います。
 コロナ禍の中にあってオンラインでのやり取りが推奨されたように、これからはコミュニケーションの取り方も対面とは限らなくなります。それでも変化し続ける社会で生きて行く子ども達に必要なものは「人とつながる力」と言われています。つながる力=共に生きる力。意欲的に他者に働きかけようとする力と肯定的に自己を理解し、人間関係を円滑にするために必要な力の2つが定義されています。①「自分のこと」肯定的に自己を理解し、感情や行動をコントロールすること、②「相手のこと」他者を受け入れ、協力・協働して主体的に参加すること、③「社会とのつながり」社会の中で、円滑な人間関係を築く基盤を形成すること、④「コミュニケ-ション」相互にやり取りをしながら、意欲的に他者と関わることの4つに区分されるそうです。子ども達は日々、様々な経験や関わりの中で、つながる力を培っています。自立のためにも、持っている知識や技術を活かすためにも不可欠なことです。それは木で例えるなら根っこ。テストの点数で分かるような知識や技術とは違って、本当に必要な力は見えにくいものです。なぜなら根っこは土の中にありますものね。どんな立派な枝葉をつけた大きな木でも、根がしっかりと伸びていなければ、困難という嵐が来れば倒れて枯れてしまいます。人の育ちには順序があって、乳幼児期は根っこを伸ばす時です。この1年でどのお子様も自分のペースで大きく、たくましく成長した姿をうれしく感じています。できたできないで子どもを評価するのではなく“子どもが何を経験しているか”の視点を持って“何が育っているか”を考え、育ちの連続性を視野に入れ、学びに向かう姿勢や人間性を豊かに育てていくことが出来るよう、残り一ヶ月の大切な時間を共に過ごしてまいります。
 今年度も保護者の皆様のご理解・ご協力を賜り感謝致します。一年間ありがとうございました。
 〚子育て四訓〛
一、乳児の時は肌を離すな         目で見て、耳で聞いて、匂いを嗅いで、肌で感じて、唇で確かめて自立しても戻ってこられる安全基地を作っているところだから。
一、幼児の時は肌を離せ、手を離すな    身近な大人との関わりから基本的な生活態度を身に付けている時。それが一生の土台になるから。
一、少年の時は手を離せ、目を離すな    子ども同士でしっかり遊ぶ中で、トラブルや困難を乗り越えたり、楽しさや喜びを分かち合う経験が英和の基になるから。
一、青年の時は目を離せ、心を離すな    何のために生きるのか、自己確立のためには親でなく仲間との繋がりが必要だから。大人は求められた時いつでも寄り添える心があればいい。

園長 梶山 美里