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ホーム  > 園長コラム  > 『隣人愛 ~実習生との関わりの中で~』

『隣人愛 ~実習生との関わりの中で~』

 日頃より、新型コロナウイルス感染症に係る対応へのご協力をいただき、感謝申し上げます。梅雨に入り、室内での活動が多くなります。園でも、室内の換気や消毒・除菌などの衛生管理の徹底に務めながら、安心して子どもたちが生活できる環境作りをしていきたいと思います。
 さて、年間を通して園には保育士養成校に通われている学生さんが保育実習に来てくださいます。子ども達は実習のお姉さん、お兄さんが大好きです。4、5月にも数名が実習されたので、御家庭でも実習生のお話が出ることもあったのではないでしょうか。保育の中で決められた時間を実習生がメインで保育を行う部分実習での出来事です。この時ばかりは保育士の指示を受けずに、実習生が自分で考えて保育を進める必要があります。実習生は初めての経験に、子ども達の前でしっかりと話ができるだろうか?実習中にトラブルが起きたらどうしよう?と不安を抱き、緊張のピークに。なかなか計画されていた手遊びが歌い出せなくなってしまいました… 10秒、20秒‥1分…子どもは素直ですから「お姉さんどうしたの?」「何やるの?」等の声が聞こえてきそうに思い、ハラハラしていました。しかし、黄組(5歳児)の子ども達はなんとか歌い出そうと葛藤している姿をじっと見守り続けたのです…さすがに助け舟を出そうと思ったその時です。Aちゃんが「ちょっと緊張するよね。皆の前ではね。」と優しく声を掛けました。普段担任がお話をする時もクラス全員が気持ちを向ける事はなかなか難しいのですが、この時はシーンと静かになりました。そこにいた全員が「お姉さん頑張れ!」という言葉が聞こえてくるかのような不思議な雰囲気になり、そして「大丈夫だよ!」というあたたかい空間に包まれたのです。その場にいた私は自然と涙が流れてきました。子ども達の愛に触れ、実習生は手遊び、絵本の読み聞かせをやりきることが出来たのです。実習生も安堵の表情でした。
 家族や保育者、地域の方々との関わりや声かけ、あたたかなまなざしの中で、自分は大切にされている、愛されているかけがえのない存在であることを実感し、そして自分は神様が愛してくださっている存在であることに様々な経験を通して触れてきた黄組さん。そのことを通して、少しずつ周りにも目が向き、みんなを大切にし合う、お互いが大切な存在であることを感じ、友達との関わりを求めながら生活する姿が見えてきています。今回、数日間関わっただけの実習生(子どもから見たら大人)に対して、クラス皆で自然にこのようなあたたかい関わりをした姿に感動し、そして誇りに思いました。人は一人ひとり違うから補い合い、認め合うことが出来ます。だからこそ価値があり、一人ひとりが大切な存在なのだと改めて子ども達の姿から学ばせていただきました。
~こうのとり保育園 保育・教育理念~
*愛されて、愛する心を知り、お互いが大切な存在であることを知る。
*一人ひとりの違いに気づき、お互いを認め合いながらともに主体的に生活する。
                                                             園長 梶山 美里