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平和を考える

 夏本番となりました。眩しい太陽の陽射しの中、青空の下、水遊びを楽しむ子どもたち。園庭にはきらきら水しぶきが舞っています。
 新型コロナウイルス感染症に関する対応等、ご理解ご協力ありがとうございます。全国的に感染者数が急増し、不安も大きいですが、園では改めて基本的な感染予防対策と合わせて、熱中症予防対策を徹底して参ります。
 7月8日、言葉にならないほどの衝撃的な事件が起こりました。元首相が公衆の面前で撃たれるという事実に私自身も大きな衝撃を受けました。日本でこのような事件が起きた事実はとても重く、今後の治安に対して不安を抱いてしまいます。
 先日、年長児のお泊り保育で航空自衛隊浜松広報館エアーパークに出掛けた時のことです。拳銃や鉄砲が展示されているのを見ながら「安倍さん撃たれちゃったね…」「どの鉄砲かな?」「なんで撃たれちゃったのかね…」と子ども達が神妙な表情で話をしていました。首相、総理大臣って何?という話題に流れていきましたが、この悲しい事件を子ども達はどう捉えているのでしょう。テレビやネット上では銃撃の瞬間を伝える映像が流れ、新聞や雑誌には元首相が倒れている写真も掲載されました。それを見て心を痛めた方も多いのではないでしょうか。
 2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻して数ヶ月。連日、報道されているウクライナの状況は見るに堪えません。ましてや武器も持っていない民間の人々が襲われている悲劇が繰り返されています。21世紀は、世界中が手を取り合って平和に向かっていくはずではなかったのでしょうか。祈らずにはいられません。
 8月は広島・長崎の原爆記念日、8月15日の終戦記念日を迎えます。園でも平和について考える時を持ちたいと思っています。今回の出来事をきっかけに、平和への祈りを込めて、子ども達と共に知り、学んでいけたらと思います。分け合い、お互いに折り合いをつけて一緒に過ごすことで、私達のささやかな毎日が支えられていることをもう一度心に留め、改めて感謝していきたいと思います。
 「戦争・暴力の反対語は、平和ではなく対話です。」と経済学者で埼玉大学名誉教授の暉峻淑子(てるおか いつこ)氏は言われています。対話をするためには、関心を持ち、無知から脱却をするための知恵、教育が必要だ。日頃から家庭で沢山対話をし、また家庭内外で問題解決をするためにはどうしたらいいのかを話し合うやりとりを練習していかなくてはならない。さらに「対話」とは、「人間としての対等な立場で、その時、その場に最も必要な自分の考えや感情を自分で語る話し合い」と『対話する社会へ』(岩波新書)の中で記述しています。近年の子どもに対する教育・保育では、子どもが「主体的・対話的」に学ぶことが注目されています。これからも園、家庭で対話を大切にし、対話ができる社会になっていくことを願います。
                                   園長 梶山 美里