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安心と快適

 涼しい秋風に、高く澄んだ空。思いきり深呼吸したくなるような、気持ちの良い季節ですね。爽やかな秋風に乗って、真っ赤に色付いたアキアカネ(赤トンボ)が見られるようになりました。子どもたちが目を輝かせて追いかけている姿が何とも可愛らしい今日この頃です。
 先日は懇談会へのご参加ありがとうございました。今回は感染症対策を徹底しながらも、短い時間でしたが、少人数でディスカッションをする時間を持つことが出来た事を嬉しく思います。お仕事をしながら子育てをしている仲間と、嬉しい事、難しさを感じている事等を共有し、安心に繋がったという感想を沢山いただきました。皆さんがお話をしている様子を見ながら、懇談会の大切さを痛感致しました。どのクラスでも生活リズムについての話題が多く聞かれましたね。「なかなか夜寝てくれない」「朝、スッキリ起きられない」「朝食をあまり食べてくれない」「トイレに行くのを嫌がる」等々…「家も一緒」「上の子の時にこんな事をしたら上手くいったよ」「学校に行くとね…」等の保護者同士のやり取りの中で何かヒントが見えた方もいたのではないでしょうか。就学前に『朝うんちの習慣を!』とよく言われます。朝うんちをするためには時間に余裕がなければいけませんね。朝便意を催すためには、朝ご飯をモリモリ食べる。そのためには…と考えていくと早寝、早起き等の規則正しい生活習慣や運動・休養・食事の大切さが見えてきます。年長児の食育では、お腹のしくみや腸内細菌についても楽しく学び、お腹の健康をうんちでチェックしています。「和式便器を入学までに練習しておいた方がよさそうですが、なかなか和式トイレって周囲にないんですよね…。」というようなお話もよく伺います。(竜洋海洋公園等、和式トイレがある公園が市内にはいくつかあります。)現代はほとんどの家庭で洋式便器を使用していると思いますし、テーブルと椅子で食事をとり、ベットで眠る生活を送っている子の方が多いと思います。生活の中でしゃがむ機会が減っている為、しゃがむ事が苦手な子も少なくありません。学校のトイレと家庭のトイレの違いがストレスになり、排泄を我慢してしまうお子さんもいると伺ったこともあります。 文部科学省のホームページによると、公立小中学校トイレの洋式トイレ率は57.0%。住宅の洋式トイレ率が89.6%(総務省統計局ホームページより)で、入学後に初めて和式トイレを見る子どもが多いことから、文部科学省の2021年度の概算要求では「学校トイレの洋式化・乾式化を進めること」も挙げられています。磐田市内の小学校も洋式化が進められていますが、まだ和式便器が多いと聞きます。和式便器が減少しているからとはいえ、和式便器より洋式便器の方が優れているというわけではありません。それぞれに長所、短所があり、子ども自身がその特徴や使い方を理解し、自分に合った様式の便器を選び、学校生活を健康に送れることが大切です。
 トイレは、子ども達が健康で充実した園生活を送る上で重要な役割を担っています。排泄は自律神経の中でも、リラックスしている時に優位になる副交感神経が司っています。そのため、安心して排泄できるようにトイレの環境を整えることが大切です。排泄(おむつ交換)は個々とのスキンシップを図る場としても大切にしています。身体のリズムや体調を知る(排尿量や、排泄物を観察)上でも大事な機会であると考え、目線を合わせてゆったりとした気持ちで行うよう心掛けています。成長と共に、出たこと、濡れて気持ちが悪いこと、始末をしてすっきり気持ち良さを味わうこと、サインがあった時の教えてくれてありがとうの気持ちなど、その時々その子の育ちに合わせて向き合い、言葉にもしています。トイレで尿や便をすることが気持ちいいと言った実体験を繰り返し、排泄物を出した後は手洗いをし、清潔な状態になって遊びに戻っていくことも併せて伝えています。トイレの利用を通して、水や電気、紙などの資源を大切に使う事、次の人が気持ちよく使えるように丁寧に使う事など、排泄の場面だけでも社会生活を送る上で必要な事も沢山学べますね。子ども達が安心して排泄ができる環境を整え、過ごしやすい秋という季節を楽しみながら、よく遊び、よく食べ、よく眠り、よく笑いながら体と心を整えていきましょう。
                                            園長  梶山 美里