グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 子どもが見ている世界

子どもが見ている世界

園長  大塚 麻紀子
一年の中で最も寒さを感じる季節、そして2月3日は節分ですね。園内でも各クラスでいろいろと準備をしていて、日本古来の伝統行事に触れること、また皆の健康と健やかな成長を願いこの日を楽しもうと予定しています。そして翌日4日は立春、暦の上では春が始まる日です。園周辺でこれから芽吹く春の息吹にも目を向け、春の訪れを喜ぶ日々を子どもたちと過ごしていきたいです。
先日0歳児数名と担任が、園庭に遊びに行こうとホールを歩いているところに出会いました。その中の一人の子が目の前の出入り口に向かって、逸る気持ちで小走り気味に先へ。少し後ろを歩く担任は、ゆっくり大きく一歩ずつスローモーション動作で進む。振り返って担任の動きに気づいたその子は、戻って担任の隣に並んで歩き、テラスに向かっていきました。担任は「歩こうね」という促しも「走らないよ」という制止も言葉で表現することなく、「おそとで遊ぼうね」など園庭での遊びに期待を膨らめる言葉を伝えながら、ゆっくり動作を見せているだけでした。それを見て、大人が通常歩くスピードに0歳児がついていこうとすると小走りにもなることに改めて気づき、「大人の生活・動作を子どもの目で見る世界は早送りである」という以前聞いた話を思い出しました。
また別の日に職員から聞いた出来事。コマ回しをしていた4,5歳児を見て、自分もやってみようとした3歳児A君。その様子を見ていた職員は、A君がいきなりコマを投げたのでびっくりしたと。詳しく聞くと、紐を巻いて投げて紐を引いたら回るという仕組みを知らない彼は、観察していて見て分かったこと(知っていた動作)から、コマを回す方法を投げたら回ると理解し、やってみたようです。投げたらどこまでも飛んで行ったコマを見てA君も「???」と不思議に思ったことでしょう。
子どもたちは周囲の環境(人や物)と関わって、自ら学ぶ・育とうとする力が備わっていて、それはたとえ0歳児でも同じです。「~したい」という心の動きがあることで成長と共に興味関心も広がり知りたいという意欲が次の挑戦(学び)に繋がっていきます。こうのとり東では昨年度より「子どもの主体性」についての学びを続け、2022年度は日常の保育エピソードから振り返り「子どもの思いはどうだったか」など、大人のかかわりについて職員で学びを深めてきました。その中で子どもが自ら育とうとする力である主体性とは~子どもは様々な環境の中で、心を躍らせながら自由に自己表現を楽しむ~という共通の捉え方を見出し、保育者は子どもたちが何を見つめているか、どうなりたいと考えているかを同じ目線で寄り添う姿勢を大切にしています。
今年の楽しいつどいは、つくし組、たんぽぽ組は園からの発信型、れんげ組~ひまわり組は親子参加型で計画をしました。子どもたちは何に興味があるのか、園での遊びや生活経験を通して何を考え、自ら育とうとしているのか、保護者の皆さんと今の子どもたちの姿を共有し、今年度の成長を喜び分かち合うひと時となることを願っています。