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ホーム  > 園長コラム  > 一つひとつの物を大切にする 

一つひとつの物を大切にする 

園長 岡田 尚久

新年あけましておめでとうございます。昨年中はこども園の事に関しまして温かいご支援とご理解をいただきありがとうございました。この一年がお子様にとって、保護者の皆様にとって喜び多き年になりますよう、お祈り申し上げます。
 年末年始にかけて長期の休みに入りましたが、今回は例年と違い、ご家庭でゆっくり過ごされた方がほとんどだったのではないでしょうか。親子で一緒に遊んだり、会話を楽しんだりと家族との時間がもてたことと思います。都市部では緊急事態宣言の話が出ていますが、ここ静岡も毎日コロナウイルス感染者が出ている日々です。今まで同様に感染対策を十分に行い、更に寒さが増しますので体調管理もしながら、この時を乗り越えていきましょう。
 さて、12月には各クラスでそれぞれの年齢に合ったアドベント礼拝を過ごし、そしてクリスマスを迎えました。祝会に関しましては、今年度は年長クラスのみ保護者が参加し行われました。子どもたち一人ひとりが自分の出せる力を存分に出し、降誕劇を通してクリスマスの出来事、意味をお伝えできたのではないかと思います。各家庭からお預かりした献金は、子どもたちと送り先を相談して決めます。送り先と献金の金額は後日皆様にお伝えします。ご協力をありがとうございました。
クリスマスまでに献金の話を子どもたちとする機会がありましたが、「私たちは毎日食べるものがあり、暖かい服も着ている。」そのような話が出てきました。しかし、世界には飢餓で亡くなる人が大勢います。最近のテレビCMでは「日本では毎日1億個のおむすびが捨てられています。」という放送がされています。その放送を見る度に心が痛みます。
物の豊かさに通ずることですが、園の落とし物コーナーにはたくさんの落とし物があります。片方の靴下やハンドタオル、ズボンなど種類は様々です。枚数もかなりの数があり、毎日落とし物が増えていっている状況です。「なくなったら次の物を買えばいい。」という考えでいいのでしょうか。12月に今まで使っていたサッカーゴールが壊れてしまいました。その後、新しいゴールを購入し、子どもたちは大喜びで使っていましたが、数日使ったある日、使い方が雑になってしまい新しいゴールが壊れてしまったのです。その場にいた数名の子どもたちと話をしましたが、話し始めてすぐに一人の子から「壊れたならすぐに新しいゴールを買えばいい。」という言葉が出てきました。その言葉を聞き残念な気持ちになりました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、今日“SDGs”(エス・ディー・ジーズ)という言葉や色とりどりのアイコンをあちこちで目にすることが増えました。
「Sustainble Develoment Goals」の略称です。2030年までに国連に加盟するすべての国で達成を目指す17の目標です。17の目標の中には「飢餓をゼロに」・「質の高い教育を」・「つくる責任、つかう責任」等々があげられています。ある文献に、~物が安いから買うという時代を終わらせなければいけない。ボールペン1本、バナナ一房にしても消費者の手に届くまでには、原材料の調達・生産・流通・小売りなど、様々なプロセスがある。そのプロセスの中にも課題があり、驚く程に安い価格で売られたりしている。その安さの裏には生産国の人たちに正当な対価が支払われていなかったり、貧しさにつけこんで児童労働させられていたりということが起こっている。~(参考文献:エデュカーレ)
私たち日本では不自由なく生活している人が多くいます。しかし、世界的な視野でみるとその背景には様々な事が起こっているのです。この事柄は子どもたちの将来や考え方にも直結しているように思います。今の生活を少し見直してみる。一人ひとりが考えることで変わることがあるかもしれません。
今後、園でもSDGsに関してどのようなことができるのかを考えながら、日々の保育・教育にあたりたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。