グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 心と体と脳を育む

心と体と脳を育む

園長 大塚麻紀子
青空が広がるさわやかな季節となりました。園庭にこいのぼりが泳ぎ始めた同じ頃、近所の“水辺の里”にも毎年恒例だという色とりどりのこいのぼりがたくさん上がりました。保育室からちょうど見える第一発見者の5歳児ひまわり組を筆頭に、クラスごと交代でお散歩に出かけて行き、水辺の里やその道中で見つけた草花のお土産を手に「ただいま!!」と元気に帰ってきます。また4月末には、園庭の暖地サクランボが色鮮やかな赤い実になり収穫をしました。自然に触れながら、いきいきとした表情の子どもたちと過ごすひと時の中で、改めて豊かな自然環境の中で過ごせる喜びを感じます。
4月上旬には、昨年度保護者会より寄贈していただきました平均棒の購入先でもあるエール株式会社の中島純氏より、4歳児、5歳児それぞれの子どもたちと職員に向けて、遊具導入指導の遊び方を教えていただく機会もありました。歳児ごとに合わせた指導ではありましたが、どちらも最初は跨いだりくぐったりから始まり、足をどのくらい上げる必要があるのか、大人は下をくぐれないけど子どもはくぐれたなど、目で見て実際に体験して、全身を使ってこの遊具がどういうものなのか、動作に対して、自分の体をどう動かしているかを感じるところから始まりました。また、平均棒は上が平らな平均台と違って丸い棒のため、バランスを取らないと上に立っていられません。ですから、登ったら降りるという動作も繰り返し体験しました。この経験は、バランスを崩した時に、下りるという動作を体が覚える(=受け身)ことにつながり、自分の体を怪我から守る動作も最初に学ぶことが大切だということでした。平均台はまっすぐに歩いて渡るということが最終的な遊び方にはなりますが、初めからその遊び方をすると、全部渡りきろうという目標に直結し、本能的に先へ先へと急ぐ動作となり、体の準備ができていない状態で転落、大怪我する危険性についても気付かされるお話でした。運動遊具ということで、全身運動で元気に遊ぶというイメージを持ちやすいですが、段階的に遊びを経験することで、自分の体を知り動き方や感覚を覚え、動作に合った言葉を知る、瞬時に判断をする脳を育てることにも繋がるなど、運動機能だけでなく、同時にいろいろな育ち・学びの経験をしていることの奥深さも感じました。運動への得意不得意が生まれる前に運動遊びとの出会い方を変えることで、それぞれのペースで運動を楽しむことが出来る、心と体と脳を育むことで生きる力の土台を整えることに繋がるという思いを聞き、今回の30分ほどの体験中を振り返ると、子どもたちは、中島氏の話す言葉を聞き、次はどうやるのと動作を見て真似て、夢中になって遊んでいる姿がとても印象的でした。遊びは、できた、分かったがあるから楽しい、もっとやりたいと次に繋がっていきます。子どもたちが自分で経験し感じたり考えたりする実体験の機会を保障し、興味関心が広がって育つ力を支える場となれたらと思います。