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もしもに備える

園長 大塚 麻紀子
園では毎月いろいろな災害を想定して避難訓練を行っていますが、毎年9月には総合防災訓練を計画していて、今年も9月2日(金)に大地震を想定した訓練を実施しました。この日は在園中に被災した時の非常時対応について確認することを目的として事前に計画を考え、子どもたちと一緒に津波等に備えて屋上へ避難したり、被災時の備品を実際に使用してみる(非常トイレの使用など)、非常食を食べて過ごすなど、いざというときに初めての体験に困らないように防災用品を使用してみました。もしもに備えて被災生活の疑似体験をすることで、非常時の混乱状況下でも早く不安を和らげられるために、職員が様々なことを想定しながら行動確認をしたり、幼児クラスでは、子どもたち自身も自分の命を守るためにできることについて、実際に体験しながら考えあったりする機会となりました。
その日の午後、想定外の短時間大雨降水量の影響で、園から少し離れた道路では冠水しているという情報が入りました。不安を感じた保護者からは状況確認の電話が入ったり、下校時間でもある学童の対応検討をしたりなど、昼間の訓練対応から一変、実際に非常時対応の緊張感が漂いました。そして台風15号による大雨水害。まさか一ヵ月内で立て続けに水害対応が必要になるとは・・・、そして前回よりも大きな被害が磐田市内のあちこちでも起きたことに心が痛みました。
台風明けに登園してきた子どもたちからも、いろいろな話を聞きました。家の前の川の様子がいつもと違ったこと、自分の家は大丈夫だったけどおばあちゃん家が心配だった、雷が怖かった・・・など、実際目のあたりにした光景は鮮明に記憶されていたようで、次々に説明してくれました。その中で一人の子は、台風の翌日に、お父さんと水害被害の後片付けのお手伝いに行ってきたそうです。県内様々な被害影響のニュースで知らされているように、まだまだ大変な状況は続いています。実際静岡に住む知人は断水解消まで4日かかり、ようやく安心して眠れたのは5日後だったようです。災害に備えての対応や長期的な備えについて見直す必要性を振り返るとともに、幸い自分は無事だったけれど、大変な人たちがいることを知って、相手のつらい気持ちを思いやる温かい心を大切にしたいとも改めて思いました。
災害はいつ自分の身に起きるかわからないという警鐘を、今まで以上に強く感じた一か月。いろいろな立場の視点に立って「もしもに備える」ということと共に、子どもたちの人に寄り添える心を育むことについても大切に考えていきたいです。