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明けましておめでとうございます

園長 鈴木勝子
 昨年中は保護者の皆さまや地域の方々より温かいご支援とご協力をいただき心より感謝いたします。今年のお正月は元日から天候にも恵まれ、皆さま穏やかに新しい年を迎えられたことと思います。
 さて、先日 テレビ番組の中で“揺らぐ世界”~この時代の変わり目に~というタイトルで興味深い内容が放送されていました。ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。AIの進化をはじめとして時代が大きく変わり、テロや対立、分断。差別や格差。地球環境等の社会問題が深刻化している中で、世界の様々な国の人々がこれらの問題についてインタビューに応じていました。このような状況下で多くの国の人々が不安や行き詰まりを感じている。これらの問題に対してどう考えるか、どう対応したらよいのか。が討論されていました。その中である社会心理学者は「科学技術の進歩で社会構造が大きく変わったが、人間の意識がその進歩に追いついていけていない。先行きが見えない社会のため、心が疲れ不安を感じて行き詰った時代となっている。人間は最高の価値として、見通しの持てる秩序や安定を求めている。」と発言され、またある哲学者は「歴史を振り返ると江戸時代も緩やかに経済成長し続けていたが、それは経済成長が目的ではなくみんなが工夫し真面目に働き、気づいたら経済成長をしていた。経済成長のために働く今の働き方とは大きく違う。これからの時代はどんな風に働いてみんなでどんな風に分かち合っていくとみんなが幸せになれるのかを考えていく。人間性の理解が大事ではないか。」と話していました。何をどう変えれば、希望が持てる明るい未来が見出せるのか、各方面の専門家からの意見がなされていました。
 社会の行き詰まり感は他人事ではありません。資本主義社会は大人だけでなく子ども達にも少なからず影響していると思います。幼児教育の無償化と同時に教育格差の話題も耳にするようになりました。このような不透明な時代だからこそ、未来を担う子ども達をどう育てたらよいのか。小学校就学前のこども園、保育園、幼稚園時代に私たちおとなが子ども達にできること、すべきことは何だろうかと考える必要があります。
 大きな時代の流れの変化を受けて、文部科学省では学習指導要領や幼稚園教育要領、厚生労働省では保育所保育指針、内閣府では幼保連携型認定こども園教育・保育要領とそれぞれの内容が大きく改訂されます。もちろん各専門機関で互いに整合性を保ち、平成29年公示、30年度より実施されます。これは明治期に始まった学制以来の大きな変革期である。という話も聞いたことがあります。それぞれの中で謳われている教育、保育の基本的な考え方は「主体的・対話的で深い学び」「受容的、応答的に行われる保育の重要性」です。この改訂の大きなポイントがテレビ番組の中で哲学者が話されていた『どんな風に働いてみんなでどんな風に分かち合っていくとみんなが幸せになれるのかを考えていく。人間性の理解』に繋がっていくのではないでしょうか。乳幼児期に周りの人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成されることで人と関わる力の基盤を培うことが出来ます。
 教育保育においても不透明な時代だからこそ、しっかりとした理念・信念に基づき、子どもたちの将来を見据えての保育の大切さと同時に私たちおとなの責任の重さを強く感じ、新年に思いを新たにいたしました。
微力ではありますが、本年も職員一同力を合わせて教育保育に当たらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。