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内発性を育む

園長 平野春江
Aくん 「♪さつま!」「おーも♪(おいも)」(体でリズムをとりながら)
保育教諭 「そうだね。さつまのおいもの絵本と同じだね。♪おいも~さつまのおいも~♪(少しだけ口ずさむ)」  
Bくん 「ない―」
保育教諭 「そうだね。おいも食べたね。(にっこり) Bくんおかわりする?」  
Bくん  うんうん… 
1歳児(りす組)の午後のおやつの時間の園児と保育教諭の何気ない会話です。この日の献立は、さつま芋を使った大学芋でした。先日、1歳児クラスでは、春に苗植えをしたさつま芋の収穫体験をしました。収穫体験をする数日前より『さつまのおいも』という絵本の読み聞かせを繰り返し行い、子ども達と楽しんでまいりました。楽しく心躍る内容で、途中、言葉の繰り返しの所では、言葉にメロディーをつけて読んであげていると、そのうち保育教諭と合わせて言葉を一緒に歌う姿も見られていました。そのような中でのおやつのひと時に出た子どものつぶやきです。文章に書き表すと、極々普通の会話にも感じます。しかし、乳児保育では、ごく日常的な保育の営みの中で、保育教諭の応答的な関わりがあり、受容・共感・共鳴していくなかで、基本的な人への信頼感を育んでいきます。そのため集団(1歳児26名)での生活であっても、個別に、そして小さいグループで生活することが大切になってきます。そして、生活の世話は、できるだけ決まった保育教諭が、継続して担当していくことで、いつも世話をしてくれる保育教諭が安心の基地となります。
 以前読んだ本{世界基準の幼稚園}に以下の文章が書かれていました。▲人を動かす「動機」には、主に2つの種類があります。一つは、ごほうびや報酬といった外側からもたらされる動機。もう一つは、自発的に「やりたい」と湧き上がる内側からの衝動です。どちらも意欲を刺激する効果は同じですが、いざ壁にぶつかり行く手を阻まれたとき、それでもくじけず前を向いて歩いていける人は、間違いなく後者の動機で動き始めた人です。そのような人たちに例外なく備わっている資質が「内発性」です。内発性を育む土台は、身近な養育者からの愛着です。自分にとっての「安全基地」である身近な養育者から「私は、無条件に愛される価値があるのか」を子どもは、常に推し測っています。▲身近な養育者とは、もちろん保護者(ご家族)の皆様です。こども園では、保育教諭です。1歳児クラスは、集団の生活であっても出来る限り一人ひとりの想いや要求に応答しながら保育が展開できるように少人数で小さいグループを決まった保育教諭が担当しております。保育教諭と仲間がいつも同じ日課で過ごす中で、一人ひとりの細やかな情報を収集できます。だからこそ、言葉にならない言葉を汲み取ったり、表現の未熟な内なる想いを汲み取ったりすることが出来るのです。そして、少しの変化や成長に気づくことで、保育教諭の喜びとなります。全てにおいて、子どもの想いを汲み取れる時ばかりではありません。一日の終わりに今日の保育の業を振り返り、神様の導きに与りながら、明日の保育へと繋げております。今日よりイエス様の降誕を待つアドベントに入ります。子ども達は、毎日アドベントカレンダーをめくりながら、喜びの日を待ち望みます。クリスマスの歌や讃美歌も歌っていきます。そのうち、お子様の鼻歌が聞かれるようになるかもしれません。是非、耳を傾けて下さいね。