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散歩を楽しむ

園長 平野春江
 紫陽花の花が色鮮やかな色を見せる季節となりました。花は、人の心を和ませる力があります。こども園でも、野に咲く小さな草花を求めて、小さな生き物との出会いを求めて散歩を楽しんでおります。散歩帰りの子ども達の小さな手には、シロツメ草やクローバー、レンゲ草等が握られています。摘んできたお花を小さな花瓶に入れ、食事のテーブルに飾る子どもの顔は誇らしくさえ見えます。
 『センス・オブ・ワンダー』の作者レイチェル・カーソンは、このように語っています。▼子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。もし、わたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいと頼むでしょう。妖精に頼らないで、生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもち続けるためには、わたしたちの住んでいる世界のよろこび、感性、神秘などを子どもと一緒に再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。▲ こども園では、保育教諭がその『ひとり』となれるように、一人ひとりの子どもの発見に寄り添えるように心掛けております。先日も、目を輝かせながら、「園長先生、見て!だんご虫が赤ちゃんを産んだよ!」と見せにきてくれました。よく目を凝らさないと見つけられないほど小さなだんご虫の赤ちゃんです。まさに、子どもの側に居るからこそ、神秘さやよろこびを再発見できた瞬間でした。このように散歩を通して自然に親しんでいる中で、滋賀県大津市で先月の8日、信号待ちをしていた保育園児の列に軽自動車が突っ込み、園児2人が死亡、13人が重軽傷を負った事故のニュースは、記憶に新しいことと思います。亡くなられた園児のご家族の方やそれらに連なる関係者の方々のことを想うと胸を締め付けられる思いが致します。残された御家族の上に神様の慰めと癒しが与えられますことを心よりお祈り致します。状況的に防ぎようのない事故であったとは言え、こども園として、子ども達の安全を守るために、最善の配慮を行うことが務めであると認識しております。この事故で亡くなられた園児の死を無駄にしない為にも、散歩活動のリスク管理について再度検討しました。まず、静岡県警察の交通事故発生マップより当園周辺の事故状況について調査しました。過去10年間の交通事故発生場所が分かり、中でも多発している要注意箇所が明確となりました。その情報を基に、日頃、活動の中でよく行く散歩コースを保育教諭が実際に歩きながら、『危険なところはないか』『車の交通量はどのくらいか』『信号での待機場所は安全か』等のいくつかの視点で調査し、写真に収めました。取集した情報をマップに書き写し、その情報を職員で共有し検討しました。公園を目的地と設定した場合、今までは比較的、最短の道を選択して計画を立てておりました。しかし、今回の検討会により、少し遠回りしてでも、交通量(交通事故)の少ない道を選択して計画を立てようとの結論に至りました。又、『こういう状況の時には、あなたならどうする?』というように具体的な散歩中の子どもと保育教諭の動きについてもディスカッションを行い、様々な状況を想定して考い合いました。
 間もなく梅雨の時期に入ります。雨上がりの散歩は、晴れの日には体験できない自然の神秘さや生き物に出会うことができます。安全に留意しながら、楽しみたいと思います。御家庭でも朝夕の涼しい時間帯に親子でお散歩はいかがでしょうか。