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愛されている実感

園長 平野春江
 ▼「こうしなさい。ああしなさい。」大人の指示・命令・コントロールする言葉ばっかりがある。そういう環境の中で、だんだんともしかしたら子ども達は合わせているけれど息苦しさを感じているかもしれない。一番生活が楽しく感じられるのは、楽しい会話があり何かを共有するということがあること。そして一人ひとりの生理的欲求が満たされること▲
上の文章は、当園の研究発表について聖隷クリストファー大学 社会福祉学部 こども教育福祉学科 学科長 太田雅子氏から頂いた総評の一部を抜粋したものです。保護者の皆様の家庭保育の御協力を頂き、1月18日(土)に第13回 聖隷保育学会が開催されました。聖隷のこども園・保育園が1年間の研究や教育・保育実践の取組みを発表しました。当園は『子どもの育ちを踏まえた教育・保育のありかた~ゆるやかな育児担当制保育の導入~』と題しまして昨年度から現在に至るまでの実践を発表しました。保護者の皆様にも発表内容を簡単に御説明致します。はじめに聖隷こども園こうのとり豊田には園の聖句があることをご存知ですか。『わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい。』ヨハネによる福音書13章34節です。そして園の教育・保育理念にも『愛されて、愛する心を知り、お互いが大切な存在であることを知る。』とあります。私たちは、神様の愛や恵みを感じながら、お預かりしている大切なお子様を保育しております。一人ひとりのお子様が園生活を通して『私は愛されている…』と感じられるようにとの願いがございます。その願いを実現するためには、まわりにいる大人の日々の関わりの積み重ねが大切です。保育者の温かなまなざし、温かな声掛け、一人ひとりの成長や発達、行為のテンポに応じた丁寧な援助等の積み重ねにより子どもは心地よさと共に安心を覚え愛を知ります。しかし、こども園は同年齢を集団でお預かりする施設です。特に昨今、待機児童解消のため、0.1.2歳児の乳児は定員を超えて受け入れをしております。そのような中で、どうしたら丁寧な保育ができるであろうかと考え、乳児は『ゆるやかな育児担当制保育』を導入することにしました。実践する中で子どもとの様々な変化や気づきがありました。その中のひとつとして部屋から園庭に出るまでの様子をお伝えします。以前は、クラスのグループ毎に一斉に上着を着て、帽子をかぶり階段を皆で降りていました。階段を降りる場面では「手すり持ってね」「前のお友達は押さないよ」など安全を確保するため注意する言葉ばかりでした。導入した後は、一人の保育者に対して子どもは2~3人のため、会話を楽しむことが出来ます。靴を履く際も個々の発達段階を丁寧に観察しタイミング良く、そして、さりげなく援助することが出来る様になりました。食事やお昼寝なども一人ひとりの生活スタイルや状態に応じて行い、子どもが急がされたり待たされたりすることなく子ども自身が自分で生活を作っています。先に述べました太田雅子氏の総評の続きがございます。▲ゆるやかな育児担当制の導入により、子どものやりたいという想いを尊重しつつこうやったらもっとできるようになるよと示して見守っていく。子どものやりたい気持ちがあって大人がちょっとだけ支援の言葉をかけることによって実現できるようになる(発達の最近接領域)▼導入してやっと1年が経過しました。まだ手探りなところもございますが、子ども一人ひとりがその子らしく生きられるように環境を整え愛を注いでまいりたいと思います。